ブックタイトルagreeable 第15号(平成22年7月号)

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概要

agreeable 第15号(平成22年7月号)

Agreeable 2010/7 8会員のページ1.はじめに? しろあり第147号「木造住宅へのクロタマムシの加害」訂正。図1の文中、愛媛県西予市宇和町にクロタマムシ生息を確認。寒さに強い。ヤマトシロアリの生息域と重なる。九州北部にも生息確認。? 平成15年頃から、新築2?3年でクロタマムシの成虫が多数飛び出し、施主と建築会社間のトラブルが全国的に増加しています。高気密住宅は虫にとっても快適な住環境なのですが、屋外へ脱出困難な構造で、屋内を飛び回り人目につきます。松伐採の何年か前に幼虫が入り込んでいないと、計算が合致しないことになります。2.クロタマムシ多発の原因? 国産の松にはマツノザイセンチュウに対する、抵抗性が無いため、日本に侵入以来100年で九州から青森までマツ属は壊滅的な被害を受けました。これが背景となっているので、木造建物の被害は、これに比例して広く深く侵入しています。一般に考えているよりはるかに激害であり、その対策と全国的な実態調査が早急に必要と考え提言します。? 「虫」を「シロアリ」の文字に置き替えれば被害に相応しいものになります。長期優良住宅や文化財の維持管理が、クロタマムシ抜きでは考えられなくなっています。3.クロタマムシ検査診断手法? 検査対象の部材は国産のアカマツ、クロマツの目視検査とします。目印は脱出孔(楕円形 横7㎜±2㎜)、ふたなし、泥ぶたあり、白い鳥フンぶたあり、以上の有無で虫を特定します。(3.は社内暫定手法です)? 穿孔検査(6㎜ ビット使用)  被害があると判断した部材を、穿孔により①被害程度、範囲を確かめる。②松材の品質、ばらつきを確かめる。③脱出孔が特定の部材か確認。④特定の部材は、接続する部材への被害拡大の有無を確認します。? 虫孔1㎜ 、虫フンの有無、脱出孔上の噛みかす、虫フンを確認、以上を調べて診断します。4.複合被害について被害の進行順①クロタマムシ②イエシロアリ、ヤマトシロアリ③腐朽菌類④シバンムシ類等単独の場合と二つ以上の被害が順次発生する場合があり、二つ以上を複合被害として区別しました。5.問題点の改善松材の「不適材」の「混入」が、建物の耐震強度の劣化に繋がることは、「クロタマムシの建物への加害」実態調査の結果明白です。警鐘を鳴らすとともに、関係業界毎の問題改善対策を早期に取り上げられることを期待します。防除士の目視木造建物へのクロタマムシの加害Ⅱ三好廣通四国支部 西南シロアリ有限会社神社1-1 築22年軒桁のクロタマムシの被害と脱出孔。イエシロアリ、複合被害(大)。神社1-2 同クロタマムシ脱出孔。一部イエシロアリの蟻土が見える。被害(大)。神社1-3 同小屋組内外の松材にクロタマムシの脱出孔が700以上見られる。被害(大)。寺院1-1 築220年前後小屋組の梁、桁、①クロタマムシ②ヤマトシロアリ③シバンムシ④腐朽菌の被害。長期複合被害(大)。寺院1-2 同1-1の局部被害。多数のクロタマムシの脱出孔あり。寺院1-3 同梁が重なっている部分の下積の梁が潰れている。クロタマムシの脱出孔が多数見える。