ブックタイトルagreeable 第15号(平成22年7月号)

ページ
8/22

このページは agreeable 第15号(平成22年7月号) の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

agreeable 第15号(平成22年7月号)

Agreeable 2010/7 6会員のページ今回ご案内する改正特商法は、平成20年6月18日公布、平成21年12月1日から施行された改正内容についてです。特商法対応については、agreeable No.6('08 april)で??元副会長と消費者協会の白崎グループ長が解説されていますので合せてご参照いただければと思います。Ⅰ.特商法改正の背景判断能力の不足した高齢者等に対する訪問販売などによる被害が深刻化したこと。Ⅱ.改正の内容1.規制の抜け穴の解消原則として指定商品・指定役務制の廃止(規則の対象とすることがふさわしくないものはネガティブリストとして掲げることとなった。)イ 指定制廃止の効果改正法施行後は、消費者側は、訪問販売や電話勧誘販売で締結された契約であることなどを主張すれば足りることになり、事業者側において適用除外になることを主張、立証しなければならないことになった。2.訪問販売規制の強化イ 勧誘を受ける意思の確認義務の新設(努力義務、勧誘受諾意思確認義務)ロ 拒絶者に対する勧誘継続、再勧誘の禁止販売業者は訪問販売に係る売買契約または役務提供契約を締結しない旨の意思を表示した消費者に対し、その売買契約または役務提供契約の締結を勧誘してはならない。(特商法3条の2第2項)① 必要な拒絶の意思表示の内容契約を締結しない旨の意思表示である。口頭で言われた場合はもちろんであるが、消費者の身振りや態度などから契約を締結しない意思が認証できる限り、この意思表示としては十分である。また契約を締結しない旨が記載されている文字や文章を示すことでもその意思表示になる。この意思表示は、消費者が自分に対する勧誘をしようとする者あるいは現に勧誘をしている者に対してする必要がある。② 禁止される行為当該売買契約または当該役務提供契約の締結の勧誘が禁止される。当該契約とは、拒絶の意思表示をした消費者が表示した契約のこと。禁止されるのは「勧誘」とされているので拒絶の意思が表示された場合には、勧誘自体の開始も、すでに勧誘を始めている場合には、その継続が禁止され、いったん勧誘を終えている場合には、機会を改めて行う再勧誘も禁止される。再勧誘の禁止がどのくらいの期間継続されるのかについては、社会通念や取引通念で判断せざるを得ない。(法文上は明記なし)勧誘する商品等の種類、内容や性質等によりこの期間は異なることになる。③ 違反の効果販売業者が特商法3条の2第2項に違反して勧誘を行った場合には、主務大臣から指示処分(同法7条)または業務停止命令(同法8条)を受ける。ハ 過量販売の撤回・解除権(特商法9条の2)次々販売では、個々の取引ごとの勧誘行為の再現が困難な場合が多いことから瑕疵の立証や事実の立証が容易ではないために消費者が救済されるケースは限られていた。改正特商法では訪問販売という攻撃的な販売方法により、客観的にみて必要性を著しく欠く過量な販売を行ったときは、購入者は個別勧誘行為の違法性を証明することなく撤回・解除できることとして、次々販売被害の救済を容易にした。(同法9条の2)① 要件 過量販売の取引類型と過量性の認識(特商法9条の2)? 1回の契約で過量販売となる場合(同法9条の2第1項第1号)↓契約全体を解除できる。? 同一業者が複数回の契約で過量販売となる場合(同第2号)、?複数の業者が複数回の契約で過量販売となる場合(同第2号)↓通常必要とする分量を著しく超えることとなる契約以降のものが解除の対象となる。  なお、複数業者による場合は、以前の購入歴をまったく知らずにたまたま訪問販売する場合もありえるが、すでに多数の契約を締結しており今回の契約によって通常必要とする分量を著しく超えるに至ることを販売業者が「知りながら」販売した場合であることが要件となる。消費者側で業者の過量性の認識を証明する必要がある。② 適用除外(特商法9条1項本文ただし書)事業者において消費者に当該契約の締結を必要とする特別の事情があったことを立証した場改正特定商取引法への対応と最近の業界関連違反事例坂本輝美アペックス㈱