ブックタイトルagreeable 第16号(平成22年10月号)

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概要

agreeable 第16号(平成22年10月号)

Agreeable 2010/10 6●はじめに?日本しろあり対策協会では、毎年支部の持ち回りで全国大会を開催し、大会宣言を採択して協会としての使命を再確認するとともに、会員相互の情報交換と親睦に努めています。皆様ご承知の通り、金沢で開催された第49回全国大会からは、広報・普及委員会が担当する「研究発表会」が併催されるようになり、今回の第53回全国大会で5回目を迎えることとなりました。これまでにご発表いただいた会員の皆様には、あらためて感謝の意を表したいと思います。今回の大会では、これまでのスタイルとは異なり、四国支部の皆様のご尽力により、大会テーマである「地震とシロアリ」に関連した紙芝居と3件のご講演を組み込むことができました。その結果、「研究発表会」での会員の皆様によるご講演については、これまでの6件程度から3件に絞らせていただきました。また、協会の公益社団法人への移行を目指す中で、研究発表会も社会に対してより開かれたものにして行く必要があります。ここでは、第53回全国大会における講演および研究発表の内容をご紹介するとともに、これからの「研究発表会」のありかたについて考えてみたいと思います。●講演および研究発表の内容まず、大会テーマ「地震とシロアリ」に関連した紙芝居「津波だ! いなむらの火をけすな」の上演と3件のご講演をいただく予定です。高知県危機管理部地震・防災課の本田卓也氏には、近い将来高い確立で発生すると想定されている南海地震についてお話いただきます。高知県土木部住宅課の川﨑和久氏には、全国的に行政が主体となって進められている木造住宅の耐震化について、高知県の状況をご報告いただきます。そして、協会の仕様書委員長でもある大阪市立大学の土井 正先生には、木造住宅の構造部材の蟻害・腐朽が地震による建物被害に及ぼす影響について、豊富な現地調査経験をもとに学術的な立場からご講演いただきます。これらの3件のご講演によって、「地震」―「住宅の耐震性能」―「蟻害・腐朽による住宅の耐震性能の低下」、という流れが、ご参加いただいた皆様により明確に理解いただけるようになることは間違いありません。研究発表としては、次の3件を予定しております。①西南シロアリ㈲ 三好廣通氏: 築165年禅寺本堂解体時の全部材の蟻害・腐朽仕分けによる実態調査②廣瀬産業㈱ 廣瀬博宣氏: ベイトボックスで解明したシロアリの生態③㈲長崎白蟻 満山貴洋氏: 長崎県・世界遺産登録へ向けた白蟻対策事業の報告①と③のご発表については、協会が公益事業の一環として現在進めつつある文化財の蟻害・腐朽調査と密接に関連する内容であり、大変興味深いお話が伺えるものと期待しております。また、②については、まだまだ未解明の部分が多いシロアリの生態について、防除技術と直結するであろう新しい知見がご報告いただけることになっております。ご期待下さい。●これからの「研究発表会」のありかた最初に述べたように、協会の公益社団法人への移行を目指す中で、研究発表会もその内容を見直すとともに、社会に対してより開かれたものにして行く必要があります。具体的には以下のような方向性が考えられるでしょう。①一般の参加者の受入②内容をシロアリの生態に関するより一般的なものへと移行③発表者を協会会員以外の研究者等へ拡大①については、これまでも特に縛りがあるわけではなく、実際昨年の別府大会においても数名の学生の方が参加されていました。本年の大会からは、正式に「一般公開」とアナウンスし、講演・研究発表会へのより広範囲な分野の方々の参加を呼びかける予定です。②と③については、一体として考える必要があると考えております。広報・普及委員会において早急に議論を開始することにしていますが、具体的な案として、これは全くの私案ですが、「公益社団法人への移行に際し必要となる公益目的支出として、若手研究者等への学術奨励金制度を創設し、受賞者には研究発表会での講演を義務づける」、といったものも想定しております。学会における研究発表会等との切り分けを良く考える必要がありますが、協会設立時の原点に立ち帰り、防除業者、メーカー、研究者に加えて、建築業界や一般消費者、行政をもまきこんだ形で、がっぷり四つになって議論できる場をつくることができれば最高であると考えております。●さいごに以上、広報・普及委員会の担当する「研究発表会」について、本年の内容を簡単にご紹介するとともに、これからの方向性について述べさせていただきました。協会組織の大きな変革が迫られている中、「研究発表会」もその内容を見直す時機に来ております。例年通り、本年もアンケートを実施することにしておりますので、皆様の忌憚のないご意見を頂戴したいと考えております。ご協力宜しくお願いいたします。より開かれた「研究発表会」を目指して広報・普及委員会委員長吉村 剛