ブックタイトルagreeable 第19号(平成23年7月号)

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概要

agreeable 第19号(平成23年7月号)

乾材害虫11 Agreeable 2011/7今回ご紹介するオオナガシンクイムシは前号でご紹介したヒラタキクイムシと同様、ラワン(メランチ)やキリなど広葉樹を使った合板や家具類に発生事例があります。成虫(写 真1)は体長が8.5?15.5㎜の大型の甲虫で、日本では本州以南、海外では台湾?東南アジア?インドおよびマダガスカルに分布しています。幼虫(写真2・3)が食い荒らした被害材には、直径3㎜ を超える大きな食害痕とともに排出した粉末状の排出物が残ります(写真4・5)。ヒラタキクイムシは、日本国内では過去30年間、例外的な事例を除いて野外採集事例がないのに対して、オオナガシンクイムシに関しては、2005年に沖縄県宮古群島の池間島において、シマグワの枯木から発見・採集されています。見かけがオオナガシンクイムシに非常によく似ているホソナガシンクイムシ(写真6)も広葉樹を使用した梱包材や家具・フローリング等で発生事例があります。本種は日本では未定着ですが、海外における分布域もオオナガシンクイムシとほぼ一致しており、オオナガシンクイムシ同様、重要な木材・乾材害虫として知られています。独立行政法人森林総合研究所大 村 和香子オオナガシンクイムシ写真1 オオナガシンクイムシ成虫5mm5 mm写真2 オオナガシンクイムシ幼虫    (写真提供 槙原 寛氏)写真3 オオナガシンクイムシ幼虫    (写真提供 槙原 寛氏)写真4 オオナガシンクイムシによるラワン合板の被害写真5 オオナガシンクイムシによるキリ材の被害材内部の様子(内部の粉末は幼虫からの排出物)    5mm写真6 ホソナガシンクイムシ成虫