ブックタイトルagreeable 第19号(平成23年7月号)

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概要

agreeable 第19号(平成23年7月号)

7 Agreeable 2011/7会員のページ4.補修工事洗面所柱を交換、浴室柱については両側に添え木をして補強しました(写真6)。この工事に伴い、外壁サイディングの交換、内装壁の撤去、水道工事、電気工事、窓枠造作、床の張替え、天井張替等で250万円ほどの見積が出されましたが、保険会社の鑑定により2,099,000円が修理費として支払われることとなりました。柱交換後、木部に対して防蟻処理を行いました。5.考 察洗面所床下にはまったく被害が見られず、乾燥した状態でした。床下はコンクリートが敷きこんであり、勝手口及び入口もコンクリートたたきとなっています。被害のあった柱には土が運び込まれており、柱がのっている基礎コンクリートに亀裂があり、土中から侵入したシロアリがこの亀裂から柱内部に入り込み(図2)、1階天井の胴差しから浴室柱まで被害が及んだものと思われます(図3)。床下部分は過去5年ごとに4回防蟻処理をしているため、床下部材には被害が見られませんでした。被害が柱上部及び胴差しまで及んだのは、サイディングの防水が十分ではなく、雨水の湿気を呼び込んでいたことも原因と思われます。6.まとめ既設住宅の処理の難しさを示す事例でした。サイディングのため外壁を穿孔して薬剤処理することができませんでした。洗面所柱は勝手口から穿孔し木部処理をしましたが、裏側までは薬剤が届いていなかったため、亀裂内部から入り込んだシロアリは柱の裏側へ入り込み、土を運び入れ、サイディングからの湿気で薬剤処理していない柱上部、胴差しまで被害を拡大しました。今回の再発の直接原因はサイディング壁内部の柱の処理が不十分であったことでした。上部への被害拡大を防止するために、サイディング裏の柱への処理の必要性を感じた次第です。写真7 1階天井の胴差しの被害 写真6 両側を添え木された浴室 写真5 洗面所柱に運び込まれた土図3 胴差し、浴室柱への移動経路 図2 洗面所柱への侵入経路