ブックタイトルagreeable 第21号(平成24年1月号)

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概要

agreeable 第21号(平成24年1月号)

が5個+1個(酸素にくっついてる)、酸素が1個、そして、水素が1個です。無機物質の例ですと塩。記号で書くと「NaCl」。ナトリウムが1個、塩素が1個です。   さて、あまり一般的な物質ばかり話していますと、本論から外れてしまいます。ではここで、代表的な殺虫剤の構造を見てみましょう。比較的多く使用されている殺虫剤の一つにペルメトリンという物質があります。化学式は「C21H20Cl2O3」です。炭素が21個、水素が20個、塩素が2個、酸素が3個から成り立っています。天然に存在する除虫菊が殺虫の効果があることから作り出された殺虫剤の一つです。  元素としてはよく知っているものから、比較的なじみのある元素でできていることがわかります。ここで先ほどの水やエタノールの話で出てこなかった元素は、塩素です。しかし、この元素もありきたりの元素であり、地球上には普通に存在しています。ただし、ここからが多少難しくなってくるところですが、物質というのは、構成する一つ一つの元素はありきたりでも、その組み合わせによって様々な物質としての特徴・特性が変わってくるところです。どうして、こういった殺虫剤など、本来地球上には存在しない物質があるのか?こういった新たな物質を作り出す合成技術は、“化ける”という字を使う科学である「化学」です。これは中世ヨーロッパでもてはやされた錬金術(価値の無い元素から“金”を作り出そう…という研究)以来、発展してきたものです。残念ながら金を作り出すことはできませんでしたが、たゆまぬチャレンジの中で発展した技術は、人類に多大な利益をもたらしてきました。農業収穫量の飛躍的な向上や生活環境における媒介昆虫の根絶や防除は、その一例といえます。 さて、これまで、いわゆる化学物質とは?ということで、簡単な水やアルコール、本誌に関係する殺虫剤の紹介をしました。簡単ですが、物質というのは、単に人工で作られたものだけを指すのではなく、元素の組み合わせでできているもの全て…ということがご理解頂けたと思います。生活環境にあるあらゆるものが、この元素の組み合わせでなりたっている物質です。それらは自然由来の物質にせよ、人工で作られた物質にせよ広い意味で化学的な物質です。つまり、私たちがそれらをどう利用するのか?ということが大事なことです。 次回は、こういった化学物質の安全性って?ということで話をしたいと思います。水素Hydrogen水素Hydrogen水素Hydrogen水素Hydrogen水素Hydrogen水素Hydrogen炭素Carbon炭素Carbon酸素Oxygenエタノールの構造式(有機物質)水素HydrogenナトリウムSodium塩の構造式(無機物質)OOOH2CCCHC CHHC CCICIH3CCH3ペルメトリンの構造式11 agreeable vol.21 january 2012/1