ブックタイトルagreeable 第21号(平成24年1月号)

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概要

agreeable 第21号(平成24年1月号)

 昨年は、信じられないほど辛い事が続きました。平成24年が穏やかで、しかし力強い一年となることを願ってやみません。また、これらの災害により失われた文化財を思うと悲しさより悔しさを感じます。 さて、私たち静岡県支所が行政と手を組み事業化してきた、『文化財蟻害・腐朽検査』が新しい組織の基幹事業の一本になったことは、企画者の一人として喜びに堪えません。この事業がさらに進化して全国に広がり、日本の文化の保存の一助になれば、この上ない喜びです。 静岡県支所では平成20 年から、静岡県教育委員会文化財保護課と協力して、『文化財(建築物)蟻害・腐朽検査』を始めました。この経緯については過去何度か書き、また全国大会の研究会でも報告しましたので割愛させていただきますが、今回紙面をいただきましたので、その四年間に表出してきた問題について、提起しておきたいと思います。 支所では、平成20年4月6日から四年間に22ヶ所の文化財を調査してきました。当初は文化財そのものだけではなく、敷地内にある建築物をすべて調査対象にしたために、1ヶ所で6棟、7棟を調べることになりました。おそらく実数では40棟を超えていることでしょう。 しかし、文化財ではないといっても、同敷地内に同等の建物があれば放ってはおけません。むしろ文化財はある程度の手が入っていますが、それ以外のものは手つかずになっているものです。この点も実施して初めて気付きました。勿論下調べはしているのですが、判断に迷ったところです。検査表を見ていただくとおわかりになると思いますが、平成23年に山門が多いのは、そんな理由にもよります。当初のような調査をすれば、それだけの協力社が必要になります。たった一日のことではないかと思われがちですが、少人数で業務を支えている業者は、たとえ協力の意志はあっても、動けない事情があるのです。この問題は次の問題と大きくリンクしています。まさに、この事業の根幹に関わる「静岡県文化財蟻害・腐朽検査」5年目を迎えて(株)アルパイン・エンタープライズ 山島 眞雄agreeable vol.21 january 2012/1 12