ブックタイトルagreeable 第23号(平成24年7月号)

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概要

agreeable 第23号(平成24年7月号)

戴いてきたんですが、このシロアリは大きくて実験に使いやすいというので、乱獲気味で野外ではほとんどいなくなっているんです。」 さらに、ガラスびんにアルコール浸け保存された巨大なシロアリをもってきてくれました。 「これは3年前にケニアで採取したシロアリの女王です。マクロテルメスといいます。こっちの方はイエシロアリの女王です。」(写真2) 一緒に見せられたイエシロアリの女王と比べると圧倒的に大きい。何十倍もあります。しかも、分厚い笹かまぼこみたいで美味しそう。アフリカでは羽アリが重要な食材にもなっているようです。後で調べてみましたが、この女王アリもやはり、アフリカでは最高の珍味とされ、香ばしくタラコに似て美味しいらしいです。 研究室では主にどのような実験をしているのでしょうか。 「シロアリの走光性、味覚や嗅覚について調べる実験などをやっています。シロアリに光をあてて、その行動をシロアリの種類ごとに調べたり、頭を切断して電極を通し細胞の反応で味覚感覚を調べたりしています。顕微鏡の作業になると、体の大きいネバダオオシロアリが使いやすいですネ。」 シロアリは目が見えないと聞きますが、なぜイエシロアリの羽アリが街灯に群がっていくのか、また土の中から餌となる木材を確実に目指して行けるのか、不思議に思うところです。こうした実験を行うことによって、シロアリの行動のメカニズムが解明されていくわけです。 「では飼育室に行ってみましょう。」 研究棟から少し離れたところにあるシロアリの飼育室に向かいました。窓のない灰色の壁の倉庫のような建物の扉をあけ、中に入るといかにも屋内試験場の雰囲気です。(写真3、4)「この室内は、温度26度、湿度65%前後の環境になっています。」シロアリが生活するのに快適な環境というわけです。 壁面には、この環境を維持できるよう温度、湿度がわかる制御盤が設置されていました。(写真5) 床にはコンクリート製の飼育槽が数個置かれ、中でイエシロアリが飼育されています。「このシロアリは10年ほど前に岡山県で掘り起こした巣? どんな研究を?? シロアリの飼育写真3 シロアリ飼育室のある実験棟写真4 飼育室内写真2 左 ケニアで採取したマクロテルメス女王、    右 イエシロアリ女王写真5  室内の温度、湿度を管理する制御盤agreeable No.23 july 2012/7 18