ブックタイトルagreeable 第23号(平成24年7月号)

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概要

agreeable 第23号(平成24年7月号)

を持ってきました。イエシロアリは巣と餌場を別にしているのでこのように別の槽にしてあります。働きアリがこちらから餌をもってきて巣に運びます。」 2つ並んだ槽を良く見ると槽と槽間に木の板で橋がかけられていました。巣から出た働きアリが橋を渡って餌をとりに行き、再び巣に戻る様子をぜひ見てみたかったのですが、残念ながらこの時には見ることができませんでした。(写真6) シロアリの寿命というのも気になるところです。 「イエシロアリは、飼育室で飼った場合、4年くらいですね。野外の場合は環境が悪くなるので、もう少し短命になるのではないでしょうか。」 槽の周りには溝があって水が溜まっています。 「周りに水を這わせているのは、シロアリの脱出防止と水場になっています。」 シロアリを渡らせないように水を這わせているとはまるでお城のお堀みたいです。槽の縁から水のある溝のところまで蟻道がしっかりとついていることでシロアリがここを水場にしているということがわかりました。(写真7) ここから脱出したことはないのだろうか。 「以前に、水が止まってしまって、そこを渡ってしまったことがあるんですが、あれがその跡です。今のところ外には脱出していないです。」 指差された壁の柱の部分をみると、高さ数メートルに天井まで大きな蟻道が残っていました。(写真8) 土台や束柱についた短い蟻道は良く見ますが、こんなに長い蟻道を見たのは初めてです。シロアリも必死にこの隔離棟から脱出して、外の広い林の中に向かおうとしたのかもしれません。 ところで、シロアリの餌となる木材ですが、槽のなかに入れてあるのも、棚に積んであるのも全て新しい角材です。シロアリは古い木材を好むんじゃなかった? 「ヤマトシロアリは古い湿った木が良いみたいですが、イエシロアリは乾いた新しい木の方が好きです。フレッシュな松を好みます。」(写真9) 木材ならなんでも良いかというとそうではなく好き嫌いがあるようです。 イエシロアリの食害の進み具合なども観察しているようですが、実際、写真8  柱を伝って天井まで延びた蟻道写真9 餌となる木材写真7 槽の周囲の水場と蟻道写真6 飼育槽 右側は巣の槽、左側が餌場の槽    板の橋が懸けてある? シロアリが好きな木材シロアリ飼育、研究現場訪問19 agreeable No.23 july 2012/7