ブックタイトルagreeable 第24号(平成24年10月号)

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概要

agreeable 第24号(平成24年10月号)

当然と思われます。 そしてどのくらいの費用がかかるのかも気になるところです。 「開発費用は原体からだと何十億円もの費用がかかるでしょうが、安全性などすでにわかっている既存のものを使いますが、それでも数千万円くらいはかかるでしょうね。」 いずれにしても薬剤の研究開発には長い時間と費用がかかるものです。 シロアリ薬剤をとりまく状況についてもお聞きしてみました。 これから先、市場に出てくる薬剤はどのような傾向や特徴があり、そして時代の要請に応じたシロアリ薬剤とはどういうものなのでしょう? 「水で希釈するタイプの製剤(液剤)では、いまでも劇物は徐々に使われなくなり、毒性の低い普通物に替わってきていますが、その傾向は今後ますます強くなっていくでしょう。また液剤に替わる施工方法としてベイト工法がありますが、その工法と異なる新しい工法も研究されているので、これからは液剤に替わる工法が多くでてくるでしょう。液剤がなくなって他の工法が普及する時代を迎えるかも知れませんね。」 そうなると、先ほど見せてもらったH 管試験以外の認定試験法が主流になるかもしれませんね。 ところで消費者からは、施工後の薬剤の臭いのトラブルがよく持ち込まれます。 「防蟻成分自体の臭いは少ないのですが、溶剤は揮発性で臭気も若干あるので、その溶剤を含む乳剤は、臭気を感じる場合があります。そこで、臭気低減を施した製剤として、フロアブル剤やマイクロカプセル剤が多くなってきています。溶剤でも今では臭いの少ないものを使うので、一昔前と比べると臭気問題は格段に少なくなってきています。」 確かに敏感体質の人にとっては、深刻な問題ですが、今の薬剤は臭気、健康被害、などの問題もほとんど起こさないものになっていることも事実です。 現在、シロアリ薬剤は、認定薬剤で約200製品ありますが、それ以外の製品を含めるといったいどのくらいの種類になるんでしょう?「ほとんど認定薬剤だと思いますよ。他のものがあってもその1割程度じゃないでしょうか。」 一般用にホームセンターなどで売られているシロアリ剤もありますね。その違いというのは? 「認定薬剤は業者専用なので、ホームセンターで売れません。いくつかのメーカーが処方を変えて一般用に出しているのですが、性能に関しては認定薬剤のように大学等の公的機関で確認されたものではありませんが、有効成分が同じものであれば一定の効果は期待できるものと思います。」 防除薬剤の開発は近年著しい進歩をしています。一方、建築物の工法も大きく変化してきてこれまでの薬剤処理法では防除効果を十分に発揮できない建物が出てきています。 薬剤メーカーの方々にはこれからも、より安全で防除効果が大きくしかも環境にかける負荷の小さな薬剤や施工法の開発を期待したいと思います。薬剤メーカー会社訪問写真4 話をお聞きした安芸氏    (住化エンビロサイエンス(株))シロアリ薬剤諸事情agreeable No.24 october 2012/10 16