ブックタイトルagreeable 第24号(平成24年10月号)

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概要

agreeable 第24号(平成24年10月号)

 秋も深まり、紅葉の便りも耳にする季節になりました。ここ数年、台風や都市部におけるゲリラ豪雨災害で甚大な披害が発生していますが、現場仕事にも少なからず日程の変更等の支障をきたすこともしばしば起こり、頭を痛めた方も多かったと思います。 つい先日のことですが、何気なく「あめ」という言葉を思い返してみれば、日本語には雨にまつわるいろいろな表現があることに気が付きました。秋の長雨の中で、柄にもなくセンチな気分に浸っている自分が滑稽で苦笑いを禁じえません。インターネットホームページで「ちょっと美しい日本語」雨に関する言葉をクリックしてみました。「喜雨(きう)」・「霧雨(きりさめ)」・「小雨(こさめ)」・「小糠(こぬか)雨」・「五月雨(さみだれ)」・「小夜時雨(さよしぐれ)」・「時雨(しぐれ)」・「篠突く雨(しのつくあめ)」・「驟雨(しゅうう)」・「秋霖(しゅうりん)」・「日照雨(そばえ)」・「通り雨」・「涙雨」・「梅雨」・「にわか雨」・「白雨(はくう)」・「麦雨(ばくう)」・「春雨(はるさめ)」・「氷雨(ひさめ)」・「村雨(むらさめ)」・「遣(や)らずの雨」・「夕立」・「私雨(わたくしあめ)」 実に多くの雨に関する言葉があり驚きました。もう、日常の会話ではほとんど使われない言葉も多くなっています。名詞だけでなく形容詞的な使い方も含まれているので一概に雨を表現しているとは、言えませんがそれにしても雨を表現する言葉がこんなに多く存在することに改めて驚いています。雨だけではありません。雲や風といったごく身近な自然現象に実に多く、「美しい日本語」が存在しています。 季節やその時の状況で様々な表現が存在し、しかも日本人にとって心地よい響きで伝わる言葉が日本語の特徴ではないかと思うようになりました。 こういう、自然現象に対して豊かな感受性と表現力を日本語が持ち合わせているので、和歌や俳句がさらに研ぎ澄まされたものになるのではないでしょうか。 日本人は、こういう感性豊かな民族であり、モノづくりの才能をこの延長線上でこなしていければ、世界に通用する技術やサービスを創造していく無限の可能性を秘めていると思います。 我々の業界も仕様書改訂や公益法人化、問題山積した中での厳しい現実の中で日々の仕事を行っています。ある意味、顧客ニーズに対して繊細で細やかなサービスを提供していくことができたらより密接にお客様との距離を詰めることができるのではないでしょうか。日本人と 「美しい日本語」広報・普及委員(株)吉野白蟻研究所吉野 弘章17 agreeable No.24 october 2012/10