ブックタイトルagreeable 第25号(平成25年1月号)

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概要

agreeable 第25号(平成25年1月号)

 ◎お客様情報 害虫調査に先立ち、事前に入手したお客様の情報① お年寄りの女性で、千葉県内の高級マンション最上階で独り暮らし。② 夏から虫に襲われている。③ 虫に襲われるのが嫌で、数日前からホテル暮らし。④ マンションを売却するため全室の害虫調査を希望。⑤ 「身体から虫が出てくる」 何とかしてほしい。 先に対応した施工店曰く、以前に害虫防除したが特に何も居なかったとのこと。…読者の皆様はどのような第一印象をお持ちになられましたか? ◎にわかカウンセラー 聞くところによれば、言動が支離滅裂で相当精神的に病んでいるように見えると…。一抹の不安を感じながらも、まずは調査に要する諸費用を提示しました。大阪箕面から千葉県のお宅までの往復交通費は約3万円、これに当方の規定料金である調査費3万円と報告書作成料1万円、総額7万円の害虫調査となります。決して安くは無い調査を実施するか否か、改めて打診したところ、ご本人の強い希望で実施することが決定しました。しかしながら事前に得ていた情報から、私は「きっとノイローゼに違いない。おそらく虫は見つからないだろう」などと身勝手に想像していました。このような場合どうすればその現状を認めて納得して頂けるのだろうかと悩み、訪問当日まで数日と迫るなか、カウンセリングやセラピー等に関する書籍を読み漁りました。そして、にわか仕込みのカウンセラーとして訪問に備えたのでした。 ◎衝撃の出会い 大阪から移動すること3時間、マンションに到着し、エントランスを通過してエレベーターへ。インターフォンの声は明瞭で、品のある奥様といった感じ。マンションも築年数は8年程度と比較的新しく、清潔感もあり、植栽などにも管理が行き届いているようでした。最上階の玄関に到着し、ドアが開いてすぐ思いもよらぬ事態に遭遇しました。お婆さんが段ボール箱からおもむろに何やら取り出しています。なんと、使い捨ての雨合羽にスリッパとビニル手袋を渡されたのです。お婆さんはダウンジャケットにニット帽とマスクで身を包み、つまりは私服のまま。しかし、先に入室されていた「保護者?」と思わしき方はなぜか完全防備という出で立ちで、いきなり面を食らいました。お婆さん曰く、「虫に感染するといけないから…後で大変な事になると困るから…」と一言。言われるがまま玄関先の通路で雨合羽にスリッパとビニル手袋、そして自前のマスクを装着してようやく入室許可を頂きました…。 ◎モノがない部屋 室内は3LDKの85?90㎡の南東角部屋でとても広く、大変綺麗なものでした。が、それもそのはず、害虫調査に合わせたのか事前に家具や小物、寝具までも既に処分されていたのです。お婆さんは来春、介護付き特別養護老人ホームに入居することが決まっているそうで「遅かれ早かれ処分することになるから…」とのことでした。本当に何も無い部屋でしたので、ホテル暮らしをされている理由が納得できました…。この有り様では日常2012年12 月、私はとある害虫防除施工店からの紹介で、独り暮らしのお年寄り宅を訪問しました。わずか数時間の出会いでしたが、そこで私はとても大切な事に改めて気付かされました。誰もが既にご経験のある事かもしれませんが、きっとどこかでお役に立つのでは? と思いましたのでここにご紹介いたします。◎今回のテーマ害虫調査を通じて学んだ大切なこと奥村防蟲科学  奥村 敏夫Vol.1 住まいの害虫対策agreeable No.25 January 2013/1 10