ブックタイトルagreeable 第32号(平成26年10月号)

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概要

agreeable 第32号(平成26年10月号)

驚きましたが、こういう仕事をしているとだんだんシロアリに愛着が湧いてくるのだそうです。 とりあえず記録用として事務局のカメラでも何枚か写真を撮りました。(写真2、3)今のカメラには顕微鏡モードというものがついていて、かなり接写してもきれいに撮影できるすぐれものなのですが、飼育ケースにレンズをくっつける様に撮影していたら、シロアリがある行動をはじめました。(写真4) ピントを合わせている間、フラッシュではありませんがカメラが光りながら焦点を合わせていくのですが、急に、まるで慌てているかのように兵アリがハサミ状の大顎に卵をはさみ、巣穴の中へ引きずり込もうとしていました。そして生まれたばかりの赤ちゃんも同様に巣の中へ…。 これは、子供を守る行動なのでしょうか。兵アリは外敵からの防衛にあたる階級なのですが、生命の本能とでもいうのでしょうか、必死に卵を運ぶ姿に、驚きとともに共感するものがありました。なんだか怖がらせるのがかわいそうになったので短時間で撮影を終えて、またケースにしまい、もとの静かな環境に戻しました。 展示会への出展を機に始めたシロアリの飼育ですが、これまで何度も全滅させてしまい、飼育の難しさを感じていました。そして今回産卵(後)を初めて観察することができました。実は5月に飼育を開始してから数週間は気になって頻繁に観察をしていましたが、すぐに蟻道ができるはずもないので、シロアリの半数ほどが培地に潜り始めたのを確認してからは保温ケースにいれたまま倉庫に放置し、2カ月ほど観察していませんでした。そのため詳しくはいつ卵が生まれたのか確認できず、女王を見ることも出来ませんでした。少し悔やまれますが、でも観察をせずに長期間放置した事で産卵できたのかもしれないとも考えられ、ストレスや環境もシロアリの繁殖に影響を及ぼすことがあるのだとすれば、そっとしておいたのも成功だったのかもしれないなと思います。 飼育し、観察するものにとってはまた難しい課題ができました。 そして、不在だったイエシロアリですが、9月に兵庫県と愛媛県の会員の方からご提供いただきました。早速飼育をはじめています。ご協力ありがとうございました。 この生きたシロアリは11月12 ?14日まで東京ビッグサイトで開催されるジャパンホームショーで展示いたしますので、興味のある方は日本しろあり対策協会ブースまで是非お越しください。写真2 長さ1㎜くらいの大きさの卵がかたまってありました。写真3 生まれたばかりの幼虫。写真でみるより実物をみると、キレイでかわいい。写真4 卵を運んでいる所。すばやい動きにシャッタースピードが追いつきません。19 agreeable No.32 October 2014/10