ブックタイトルagreeable 第35号(平成27年7月号)

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概要

agreeable 第35号(平成27年7月号)

シロアリ防除薬剤に使用される殺虫剤は、そのほとんどが農業用殺虫剤開発の過程の中で、転用されているものです。実際の使用方法(希釈液の濃度や面積あたりの散布液量、散布場所など)は違いますが、その安全性に関しては農薬取締法上で厳正な審査を受け、登録されています。また、シロアリ防除用薬剤としては、木材保存剤審査事務局で受け付け、その安全性や性能などを公益社団法人日本住宅・木材保存センターが審査し、その後、各種の団体で認定されています。様々な試験が実施されており(詳細は別の機会にご紹介します)、その安全性に関して確認がされています。さて、ここで安全性に関して、よく施主の方などから受ける質問を思い出してみましょう。「その使用される殺虫剤は安全ですか?」防除業の皆様をはじめとして、読者の中にもおられる建築系の業種の方や一般の方もお持ちの素朴な疑問です。さて、答えはどうなんでしょうか?古来、○○と鋏は使いよう…というような言い回しがありますように、全てのものには、それを使用することによる利益(ベネフィット)と不利益(リスク)が存在します。そこで、殺虫剤(ここでは農薬という考え方で説明します)というものが、様々な物質の中で、本当はどのくらいの不利益(リスク)をはらむものなのかを見てみましょう。このグラフは、一般の方(主婦)が化学物質に対して持つイメージ(ガンの原因かもしれないと考える)、ガンの疫学者が科学的に考える同様のものを比べた1例です。一目瞭然ではありますが、少し解説をしてみます。* 主婦の中では食品添加物を除けば、農薬のイメージは悪い。でも疫学者は、全く逆です。* 共通項のタバコを除けば、ことごとく、主婦の方のイメージと実際の疫学者の考えは食い違っています。* ふつうのたべもの、ウイルスなど、日常避けられない必須のものが、むしろ重要視されています。冷静にキチンと調べ(安全性の試験を行うと)、農薬以外に目を向けたとき、日常生活で接している化学物質の中にも、決して安全であると言い切れるものばかりではないことに気が付かれたと思います。では、なぜこのような事実が多くの方に知られていないのでしょうか?業界の啓蒙活動が不十分な面もあるでしょう。また、様々なメディアが時折取り上げる反農薬的な記事なども影響を与えると思います。今後も私たちメーカーも含め、薬剤を使用する側のプロフェッショナルとして、説明努力を怠らないようにしなければいけません。読者の皆様、いかがですか?さて、ここで、改めで冒頭の質問に戻ります。「その使用される殺虫剤は安全ですか?」答えは…、“殺虫剤(農薬)は適正な使用方法の元では、大きなリスクをはらむものではありません。そのリスクは他の日常的に摂取している化学物質と大きく変わるものではありません(今回はガンの原因に関する観点。むしろ、この点に関しては他よりリスクが少ない)。”殺虫剤(農薬)のイメージは変わりましたでしょうか?本稿では、特に殺虫剤の安全性を声高に主張するものではありません。適正な使用方法を誤ると、リスクが増大することもあります。防除業のプロフェッショナルの方々は、キチンと専門的知識を身に着けて、お客様への説明をできるようにしましょう。また、建築系や一般の方々は、いたずらに怖がることなく、でも、しっかりとした説明を防除会社の方々やメーカーなどに求め、納得した上でシロアリ防除サービスを受けることが重要です。防除業のプロとしてバイエルクロップサイエンス(株) 大嶽譲治殺虫剤(農薬)の安全性agreeable No.35 July 2015/7 16