ブックタイトルagreeable 第35号(平成27年7月号)

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概要

agreeable 第35号(平成27年7月号)

「目には青葉、山ホトトギス初鰹」桜花爛漫の時期が過ぎ、木々に青葉が芽吹き始め、初鰹の便りが届くカツオの水揚げ四国一の愛南町深浦漁港からほど近い愛媛県南宇和郡愛南町で、クロタマムシの研究で全国大会の研究発表会やアグリアブルに投稿していただいている「西南シロアリ」「クロタマムシ・ラボ」の三好廣通様のご指導で、平成27年4月18日「愛媛県しろあり対策協会 クロタマムシとイエシロアリの複合被害の現場研修会」が開催され、愛媛県内登録業者の参加を募ったところ総勢18名での研修会となりました。今回の研修現場となる神社は主要幹線の国道から見える鳥居をくぐり抜け数十段の石段を上がると木々に囲まれた100m 以上の参道が続いており、晴天中参道は薄暗く、辺りにはマイナスイオンが溢れ小鳥の鳴き声が響き一気に深い森の中に吸い込まれたような霊験厳かな雰囲気がありました。神殿へと向かう途中には、育ちすぎたのか切り倒された倒木や切り株などは悉くイエシロアリの被害があり、また生育している木々にまでも被害が見受けられました。そしてようやく拝見できた拝殿は想像よりも目新しく感じ、聞くと最近塗装を施したとのことでした。そして改めてこのたび拝見させていただくことに感謝して全員で参拝をし研修会が開始されました。まず、最初に三好講師からの簡単な説明から始まり外観からの被害個所確認、胴差や梁や桁などにできた多数の穴を確認しながら、クロタマムシの生態の説明などを含めた形の講習を受けました。私自身もクロタマムシの現場は幾度か経験してはいましたが、今回の現場でのクロタマムシ被害は想像以上で夥しい数の脱出孔が確認出来、木材の中には、かなりの数のクロタマムシが生息していたと思われます。多数の脱出口とみられる被害は一度に発生したものではなく森林に囲まれた状況下で幾年にわたり被害を繰り返され、侵入したクロタマムシの幼虫は成虫になるまでの5?6年ほどの期間、木材内部を喰害し続けるので個体の大きさからも被害は深刻になってしまうとのことでした。そして表面予防処理を施しても雨などで流れてしまって効果がなくなってしまい、予防の方法がないとのことでした。また、この当該物件では同時にイエシロアリによる加害も受けており、イエシロアリ多発地帯の四国南西部のこの地区ではこういった複合被害は珍しくなく、各所にて被害が確認されているようです。参加者からは「クロタマムシとイエシロアリが対峙した場合、お互いどういう行動に出るか」という積極的な意見交換もありクロタマムシの被害の後にイエシロアリが侵入してきたと仮定するとイエシロアリの徹底した攻撃でクロタマムシの幼虫や食べカスなども含めてすべて食いつくしたものではないかという意見も出ました。続いて、境内内部からの確認となり、拝殿の奥へと進み内部からの被害確認をさせていただきました。株式会社友清白蟻宇都宮誉博愛媛県しろあり対策協会クロタマムシとイエシロアリの複合被害の現場研修会参加レポート読者からの投稿agreeable No.35 July 2015/7 18