ブックタイトルagreeable 第35号(平成27年7月号)

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概要

agreeable 第35号(平成27年7月号)

す。ネバダシロアリの生息が確認されてから13年以上にもなりますが、まだ住宅には被害が発生していません。理由はいくつかあると思いますが、まずは雑木林に食する木がふんだんにあり、多少湿潤でないと加害力が弱いためだとも推測されています。ネバタシロアリは王様?朽ちかけた赤松の倒木や立木の木部内で何尾ものネバタシロアリが確認できましたが、その雑木林の中では、ヤマトシロアリの生息も見られ、黒アリ、ゴキブリも生息していました。雑木林の狭い中での棲み分けができており、それぞれの個体の生命力の強さを感じます。その中において、ネバタシロアリの活発な動きと大きさは、このエリアを仕切っているような気がしました。何故かヤマトシロアリは、小さくかわいく映りました。協会事務所内でも入手したネバダシロアリを飼育しています。飼育と云うよりはある程度の湿潤性を保ちながら容器に入れたままにしているものです。2?3日に一度は、容器内を確認しますが、やたら活発に動いているネバダシロアリを発見することができます。とにかく大きくて強そうです。もし、この種類のシロアリが、住宅を加害するような繁殖力を発揮したら、防除への取り組みは必然的なものになりそうです。研究対象としての活動もネバダシロアリは大きいせいか食害力は大きなものがあります。現状でも十分な防蟻・駆除は可能だと思いますが更に、生態や習性を含めた研究・調査が行われることで、より効果的な防除へと導かれると思います。生息が確認されているエリアだけで云えば希少価値があり、建物へ加害することなく生き延びて欲しい気もしてしまいます。反面、防除対象となるシロアリであることは間違いありません。生息数が少なく珍しいシロアリへの研究・調査が進むような活動も求められるのかもしれません。私たちは、大切な財産でもある建物をシロアリの被害からどう守っていくのか、シロアリとどうかかわっていくのか等、広く社会一般へ啓発・普及活動を行っていかなくてはなりません。研究・調査も含めた公益事業の具体的な取り組みが更に重要になっていくものだと確信しています。同じエリアに生息しているヤマトシロアリネバダシロアリの兵蟻と職蟻倒木の奥に潜むネバダシロアリ21 agreeable No.35 July 2015/7