ブックタイトルしろありNo.151

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しろありNo.151

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概要

しろありNo.151

( )しろあり 年 月ターマセンサーの構造ターマセンサーの構造ターマセンサーの構造を図 に示した。ターマセンサーは 槽構造になっており,まず本体に到達したシロアリは第 槽のモニタリングチューブより容器内に侵入する。次に第 槽のフードブロック(餌)に入ったシロアリは,内部を食害しながら上面の発泡スチロール樹脂でできたステージを伝って第 槽に移動しさらに内部のフードブロックを食害する。シロアリの接近確認は,ステージの食害状況を観察することでできるが,その際ステージの上面に容器に密着してはめ込まれた 樹脂製のモニタリンググラス越しに行うことで,わずかな空気の流れにも敏感に反応して逃避するヤマトシロアリに対して,できる限り刺激をおさえながら観察できるように配慮されている。ターマセンサーの特長ターマセンサーの特長を以下に示した。コンパクトな設計従来のように深く,大きな穴を穿つことなく設置研究発表会白あり探知器 ターマセンサー について平田 文孝 )・飯田 高雄 )・押田 秀夫 )・小林 智紀 )は じ め にシロアリ防除業界を取り巻く環境は,かつてないほどの厳しいものになっている。一部の不徳な業者による消費者への過激な商法が,連日マスコミに取上げられ,あたかもシロアリ防除業全体が不法商売のような印象を消費者に与えることとなった。併せて近年の耐震偽装事件は,建築業界全体の不振にまで波及し,建築と関係の深いシロアリ防除業界の低迷にますますの拍車がかかった。元来シロアリ防除業界は顧客との信頼関係から成り立っており,通常一般の消費者が容易に点検できない床下や天井裏といった閉鎖された,しかも外からはその作業実態が把握できない環境下でのサービス提供を行っている。しかし,今日のように信頼関係が揺らぐような事態が発生すると,床下や天井裏はもちろんのことながら,敷地内に入ることさえままならず,外から建物周辺の検査すら難しい状況になった。一方で顧客自身のシロアリに対する知識も向上し,顧客に対して目に訴えない方法での説明では十分な納得を得ることが難しくなった。こうした事態を打開するには,顧客参加型の点検しか方法がない。すなわち,シロアリによる被害やシロアリの存在を,顧客参加の下で確認し,その対策についての情報を提供し,顧客より要求を導きだすことによって,顧客に納得と満足を提供できる。従来,シロアリの点検は技術と高度な知識を要することから,素人である顧客の参加を拒絶してきた。しかし,一度失った信頼を取り戻すには,顧客との一体化が重要であり,今後望まれることでもある。今般,著者らは従来の煩雑な作業をできる限り省略し,簡便でしかも顧客の納得と満足を得られる白あり探知器 ターマセンサー を開発し,提供することになった。そこで,以下その概要並びに実施試験の結果を報告する。図 ターマセンサーの構造と各部品名称