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しろありNo.152

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概要

しろありNo.152

まとめと考察べた基礎におけるシロアリ侵入箇所スラブ立ち上り打ち継ぎ部分と配管周辺部分からのシロアリ侵入の頻度が比較的高かった。これは,べた基礎にしても打ち継ぎにできる隙間(コンクリートのジャンカや金物の腐食などでできる隙間)や配管周辺にできる隙間には配慮が必要な事を示している。布基礎におけるシロアリ侵入箇所従来から指摘されている通り,基礎立ち上りと防湿コンクリート(土間コン)との隙間は本アンケート中でも最もシロアリ侵入の頻度が高い箇所であることが示された。また配管周辺やスラブ面においても,べた基礎の場合より高い頻度でシロアリ侵入が確認されている。これはべた基礎のスラブと防湿コンクリートの質の違いに起因しているものと考えられる。また温暖な地域の方がシロアリ侵入の頻度が高い事も再確認された。基礎断熱材部分昨今の高断熱住宅に対応して採用が増加している基礎断熱工法については,他のシロアリ侵入箇所とは異なり,九州・沖縄よりも東北・関東・甲信越の方がシロアリ被害の頻度が高い地域となっている。これは基礎断熱工法がこれまでは比較的寒冷な地域で採用されてきたためであると思われる。基礎内断熱工法に比べ基礎外断熱工法のシロアリ侵入が甲信越や関東で特に多く見られている。省エネルギーに配慮する住宅が全国的に広がる中で,基礎断熱,特に基礎外断熱工法を採用する場合,どの地域においても十分な防蟻対策が必要である事が確認された。玄関・勝手口部分基礎コンクリートに後から取り付けられる場合の多い玄関ポーチや勝手口部分からのシロアリ侵入は全国的に多く,特に関東,東海,近畿の大都市を含む地域でも頻度高く目撃されている。べた基礎の採用が多くなっている昨今であってもこれらの部位への防蟻対策は重要である事が再認識される結果となった。基礎外部(べた基礎・布基礎共通)基礎外部に蟻道を構築してシロアリが侵入する事も,イエシロアリが広く分布する四国,九州を中心として多く見られている。これは基礎部分だけの防蟻対策だけでなく,家の周辺に蟻道構築のきっかけになるものを設置しないなど,住み手の住まい方,日常的な点検や防除業者等による継続的な予防の必要性を示していると思われる。その他部位ウッドデッキ部分からのシロアリ侵入が関東,東海,近畿の大都市を含む広範な地域で高い頻度で確認されている。玄関ポーチ部分と同様に基礎部分の防蟻対策だけでなく基礎外周部に取り付けられる構築物への防蟻対策も重要な事が改めて示唆された。また,まだ頻度は高くないが,さや管方式の配管のすきまやねこ土台部分からのシロアリ侵入も報告されており,今後これらの工法が普及する中で,防蟻対策の観点も踏まえた上で採用される事が望まれる。( )25.0%43.1%27.7%44.8%29.0%47.4%38.9%32.8%51.1%56.3%0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%東北関東甲信越東海北陸近畿中国四国九州沖縄27% 31% 35% 7%よくある たまにときどきなし図部位ウッドデッキ部分10.6%15.7%6.9%16.6%10.0%22.2%16.3%23.3%32.6%36.9%0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%東北関東甲信越東海北陸近畿中国四国九州沖縄5% 17% 50% 28%よくある たまに ときどきなし図部位階ベランダ部分