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しろありNo.152

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概要

しろありNo.152

これまで白対協の事業活動は国土交通省所掌の範疇内で判定され,その公益性が認められてきたわけだが,今回の公益社団法人の認定は民間の有識者による委員会で一律に審査されることとなり,公益性の適用範囲も広義になり,審査基準のハードルも相当高くなりそうだ。いずれにしても白対協が公益社団法人への移行を目指すにはこれまでより高い水準の公益認定基準に適うような組織と事業活動の再構築編成が必要とされている。現在ではまだ認定を受けた公益社団法人は出ていないので判断材料に乏しいのだが,現在ある約の特例民法法人にとっても厳しい認定基準となり,認定される公益法人の数は相当数減少することが予想される。そうでなければ今回の法人制度改革の目的と達成が損なわれることになる。一般社団法人に移行する場合次に一般社団法人へ移行する場合を見てみよう。一般社団法人は新しい法律に基づく制度である。制度上,一般社団法人は非営利法人であり,剰余金の分配はできない。しかし,その活動内容は公益的なものに限定されるわけではなく,社員に共通する利益を図るための活動など幅広い活動をすることが可能である。主務官庁による許可や指導監督を受ける必要もなく,白対協にとっても,かなり自由度の高い組織設計や事業活動ができることとなるであろう。さらに一般社団法人に移行したからといって公益社団法人への道が閉ざされたわけではない。一般社団法人の立場からはいつでも何度でも公益社団法人への申請はできるのである。だから,いったん一般社団法人になり体制を整えてから公益社団法人を目指すことも可能となる。また一定の要件を満たせば,法人税法上の優遇制度もある。一定の要件とは, 非営利性が徹底された法人や共益的活動を目的とする活動の中身を定款に記載してその行動をとればよい。と,ここまで書けば,実際には一般社団法人になったほうが何かと都合がよいと思われる。しかし,これから新規に一般社団法人を設立するのではなく,特例民法法人から一般社団法人へ移行する場合には避けて通れない関門が待ち受けているのである。その最大の関門は公益目的支出計画の作成義務である。法律的に説明すると移行時における貸借対照表の純資産の額を基に計算した公益目的財産額がある法人は,一定の要件を満たす適正な公益目的支出計画を作成し,かつ,その法人がその計画を確実に実施すると見込まれるものであること(整備法)となる。このことについて,くだけた説明をすると,あなたたち(白対協)が設立以来年に亘って蓄積してきた財産(土地建物評価額等含む)は,公益法人なるが故のいろいろな恩恵(税制優遇,寄付,役務協力,保護など)によって蓄えられたものである。したがって,その財産は公益法人としてきれいさっぱりとゼロになるまで使い切る計画を決めて,それを確実に実行しながら一般法人へ移行しなさい。ただし,その財産の使い道は,公益目的事業や不特定多数の者の利益のために使用されることに限られるというものである。この場合の公益目的支出計画の期間は特に定めてないが,各年度の事業に係る経費等を参考に決めることになりそうだ。しかし,貸借対照表上の資産となると,事務局のある土地建物評価額などまで含めると相当な額になる。これから移行までの年間の間に,ある目的のために支出してその額を減らしておこうと思っても,まさか事務局(土地建物)を手放すことはできない。したがって一般社団法人へ移行後も,すぐに自由な活動を全面的に展開できるわけではないし,公益目的支出計画の実行状況に関しては行政庁の監督を受けなければならない。このように一般社団法人に移行するに際しても,取組まなければならない大きな課題がある。このあたり,“官から民へ,民間でできることは民間で”などの行政改革の中身が,実際には“痛みの伴う行政改革”であることを実感してしまう。以上,白対協が想定するふたつの移行先について述べてみたが,どちらに移行するにしても準備に多大なエネルギーを費やせざるを得ないことは間違いない。その準備期間はあと年間を切った。その間に,白対協をどのような新組織にしていくのか,新法人( )