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しろありNo.152

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概要

しろありNo.152

年月に沖縄島中部の新築家屋内でヒメスギカミキリ雌個体を筆者は確認した。その他,特に報告はないが,筆者の経験では,スギ材を使った倉庫や山小屋内ではよく見たことがある。成虫の形態体長。体は平たく,色彩の変異が大きく,前胸背板は黒色から褐色,上翅は雄で赤褐色から青藍色や青黒色まで変化するが,雌では常に赤褐色。上翅は雄で先端に向けて強く狭まり,雌では弱い。生態通常年世代,寒冷地では年世代のこともあり,食害中の材が乾燥すると年以上経過するものもある。春に成虫が出現し,樹皮付きのスギ,ヒノキ丸太に産卵,幼虫は樹皮下を食べて,蛹室は材内に造る。夏過ぎには材内で成虫となる。材内で越冬し,春早く脱出する。沖縄島で月に成虫が見つかったのは日本本土に比べて気温が高かったことによる。スギ材の輸出と共に世界各国に侵入して,最近はニュージーランドやアメリカからの材について逆輸入されている。食樹イチイ,モミ,トドマツ,エゾマツ,カラマツ,アカマツ,クロマツ,スギ,クロベ,アスナロ,ヒノキ,サワラ,ネズ,イブキ)。分布北海道,奥尻島,本州,飛島,粟島,佐渡,隠岐諸島,伊豆諸島,四国,九州,対馬,壱岐,五島列島(福江島),種子島,屋久島,トカラ列島(中之島),奄美大島,沖永良部島,沖縄島,与那国島朝鮮半島,ニュージーランド(侵入),オーストラリア(侵入),アメリカ(侵入)。ビャクシンカミキリ( )(写真)事例前種同様,特に被害報告はないが,筆者は青森県東津軽郡平内町にあるヒバ材を使った倉庫より,大量に発生したのを目撃したことがある。この付近の人の話だと,普通のことのようである。成虫の形態体長。体は黒色,上翅は通常,中央付近に黄白色の横帯を本もち,小盾板付近が黄白色となるが,色彩の個体変異が大きく,一面黒化する個体まである。上翅は両側ほぼ平行である。生態ヒメスギカミキリとよく似た生活史であるが,より新鮮な伐採木や衰弱木に産卵する。食樹イチイ,カラマツ,スギ,コノデガシワ,ニオイヒバ,アスナロ,ヒノキ,ネズ,イブキ)。分布北海道(道南部),本州朝鮮半島,中国,台湾。チャイロホソヒラタカミキリ(クビアカルリヒラタカミキリ)( ) ( ) (写真)事例こけし用材から最も多く,出てくる)。本種はタキギとして積んである乾燥した材に最も多く,そのため,山小屋では一番よく見つかるカミキリムシである。成虫の形態体長は。体は平たく,全体が淡い褐色と上翅が青藍色で腿節先端部が黒化する型がいる。生態広葉樹,特にナラ類の伐採木によく集まる。年世代である。食樹ケヤマハンノキ,ブナ,ミズナラ,コナラ,カシワ,アベマキ,クヌギ,クリ,ヤマザクラ,ズミ,イタヤカエデ,ウリハダカエデ,トチノキ,クロツバラ,シナノキ,リョウブ)。ムネマダラトラカミキリ( )(写真)事例主にキリ材を幼虫が食害するが,日本国内では問題になったことはない。しかし,中国から入って( )写真ビャクシンカミキリ