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しろありNo.152

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概要

しろありNo.152

有している)。生態成虫はスギ,ヒノキの生息林分から,ほとんど離れない。訪花性もあるが,採集されるのは生息林分に接するようにあるコゴメウツギ,ガマズミ,クリ,サンショウなどの花上からである。そのため,分布域も食樹であるスギ,ヒノキ,アスナロなどの天然分布地および,その近辺に限られる。幼虫期間は年まで確認はされており,穿孔している材が乾燥すると幼虫期間は長くなる。食樹スギ,クロベ,コノデガシワ,ニオイヒバ,アスナロ,ヒノキアスナロ,ヒノキ,サワラ,ヒムロ,シブヒバ,ネズ,イブキ。分布北海道南部,本州,粟島,四国。本州で家から発生した例を除くと,茨城県,千葉県,東京都,山梨県には分布していない)。シロスジカミキリ(写真)事例, 年に東京都で電話地下ケーブルがシロスジカミキリの幼虫にかじられた。成虫の形態体長は。体は黒色,背面は灰色の微毛で被われ,前胸背板の対の紋,小盾板および上翅の縦に流れる斑紋は白色。前胸背板の突起は細く鋭い。上翅肩部には短く外側を向く小突起があり,基部には小顆粒が密にある。斑紋の色は材内成虫の時は白色,脱出する頃に黄色,生きていても古ぼけた個体は白色になり,黄色の個体も死ぬとだんだん白くなる。生態幼虫期間が年,蛹の期間は短いが,成虫になってから,約年間材内にとどまる。食樹ヤマナラシ,ウラジロハコヤナギ,ドロヤナギ,ポプラ類,ヤナギ類,クルミ類,ヨグソミネバリ,ヤシャブシ,コバノヤマハンノキ,ブナ,イヌブナ,アカガシ,シラカシ,ウラジロガシ,ウバメガシ,ミズナラ,コナラ,カシワ,アベマキ,クヌギ,クリ,ツブラジイ,スダジイ,マテバジイ,ハルニレ,ケヤキ,アメリカニレ,イチジク,イヌビワ,ナシ,キリ)。なお,ビワも食樹としてあげられていたが,有名な学者による古い記録だけなので,省いた。家屋や人工構造物より発生または被害を与える甲虫類の特徴以上の甲虫類をタイプ分けすると次のように分けられるであろう。ヒラタハナムグリやオオハナカミキリのように腐朽した部分に産卵するタイプ。クロタマムシ,クロトラカミキリのようにマツ材に入り,幼虫期間が長いため,新築して,何年も経ってから,成虫が出てくるタイプ。ウバタマムシ,クロカミキリ,シロスジカミキリのように幼虫期間が長く,幼虫は材の硬い部分を食べており,材が腐朽すると,それを食べないため,土中をさまよい,電話地下ケーブルがあると,餌と思うのか,かじって被害を与えるタイプ。イエカミキリ,マルクビケマダラカミキリ,チャイロホソヒラタカミキリのように乾材を好み,食樹の範囲も広いため,被害をだすタイプ。特にイエカミキリは幼虫期間も長いため,被害も大きくなる。タイワンメダカカミキリのように杖,すりこ木などに使われる樹種を食樹とするタイプ。ルリボシカミキリのように大きな木に穿孔するカミキリだと,今回のような大きな展示物でもないと,発生できず,ちょっと例外的である。ベニカミキリ,タケトラカミキリのように,タケのみを加害するが,建築材料や工芸品として,よく使われるために問題となるタイプ。ヒメスギカミキリ,ビャクシンカミキリのように幼虫期間はそんなに長くはないが,建造物と( )写真シロスジカミキリ