ブックタイトルしろありNo.152

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しろありNo.152

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概要

しろありNo.152

( )しろあり年月はじめにマイクロ波による物体の加熱は,被照射体に吸収された電磁エネルギーが熱エネルギーに変換されることによって生じる。その加熱原理によって物体の内部を急速に加熱することができるため,被照射体自体を発熱体とすることができ,物体の熱伝導性に依存しない短時間での加熱が可能になる。そのため,化学薬品を使用しないノンケミカルな駆除方法の一つとして,シロアリ以外の害虫に対しても数多くの研究が行われてきた)。は,木材中のアメリカカンザイシロアリ( ( ))に出力のマイクロ波を秒間照射することで有効な死亡率が得られるとしている)。しかし,同時に高エネルギーのマイクロ波照射においては電波の漏えいなどによって周囲の環境に影響を及ぼす可能性があるため,その安全性の評価が必要であると指摘している。そこで本研究では,最大照射電力密度をとして,ホーンアンテナ式によるシロアリへの直接照射と木材中のシロアリへの間接照射を行うことで,シロアリへの直接的な影響,および非破壊的駆除方法を検討した。試料と方法供試虫として,イエシロアリ(),ヤマトシロアリ(( )),アメリカカンザイシロアリの種のシロアリを用い,マイクロ波の周波数は,の種類を使用した。直接照射においては,回の照射あたりイエシロアリ職蟻頭,ヤマトシロアリ職蟻頭,アメリカカンザイシロアリ職蟻頭をそれぞれ内径のプラスチックシャーレに入れ,シャーレ上部から照射し,放射温度計を用いて照射前後のシロアリの体表温度を測定した。照射後のシロアリにおいては,飼育室内で週間の経過観察を行った。さらに,部分的なマイクロ波遮蔽区画を設定し,ビデオ撮影を行うことで照射中のシロアリの行動を観察した。間接照射においては,アメリカカンザイシロアリ職蟻頭を入れたシャーレを複数の木材試験片で挟み込み,試験片上部から照射した(図)。照射条件は電力密度,照射時間最大分間とし,照射中の生存頭数から一定時間ごとの死亡率を算出した。また,実際の駆除処理を想定し,同様の照射条件で,内部にシロアリを封入した( ) ( ) ( ) の木材試験片に対する照射試験も行った。それぞれの試験において,熱電対と放射温度計を用いて木材の内部温度と照射面の温度を経時的に測定し,シロアリの致死条件を検討した。結果シロアリへの直接照射では,両周波数において電力密度で分間照射した場合,各種シロアリの体表温度は平均で約上昇していた。また,シロアリ種によっては分間照射した場合に,分分の照射よりも明らかに体表温度の上昇率が低くなる傾向が見られたものもあった。各種シロアリに対する照射後週間の経過観察によって算出した死亡率は,すべての照射条件において無照射のシロアリと同程度であった。さらに,部分的にマイクロ波を遮断した場合の観察結果においてもマイク研究トピックスマイクロ波照射によるシロアリの非破壊的駆除仲井一志????????????図マイクロ波の間接照射方法