ブックタイトルしろありNo.153

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しろありNo.153

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概要

しろありNo.153

( )しろあり年月はじめに住宅の長寿命化に対する取り組みが,官民ともに本格化しつつある。今後新築される住宅に対して,長寿命化の対策を施すこともさることながら,既存住宅に対する対策も非常に重要である。新築・既存の両方の対策に共通する新たなポイントは,維持管理体制の充実化による長寿命化である。定期点検による劣化や不具合の早期発見と早期処置の技術や体制の整備や,維持管理の記録を継続的に記録した家歴書の整備などが主な課題となっている。しろあり対策を中心とする生物劣化に関する維持管理は,長年日本しろあり対策協会の会員企業が担ってきた業務であり,同協会では定期点検に関する制度として平成年度から蟻害・腐朽検査員制度を設けて対応してきた。しかし上述の背景や,住宅およびシロアリ対策業界を取り巻く様々な環境の変化の中で,今後は生物劣化に関する維持管理に関するよりすぐれた技術開発や体制づくりが望まれている。ナギ産業では,これまで既存住宅のシロアリ防除業務を関東圏を中心に実施してきたが,同時に維持管理に関する器具,材料や手法の開発や商品化も独自に行ってきた。これらのうち床下診断ボックスなどをベースに,国土交通省の助成を得て,住宅の生物劣化のモニタリングに関する技術開発を平成年度から実施している。本発表ではこの事業の簡単な紹介と業界の今後の展望を述べる。住宅・建築関連先導技術開発助成事業について国土交通省(住宅局住宅生産課)では,住宅に関する技術開発のうち,環境問題等の緊急に対応すべき政策課題で,先導的技術の導入による対応を必要とするものについて,研究開発費の助成を行っている(補助率%)。この助成は, 住宅・建築関連先導技術開発助成事業と呼ばれ,以下の項目に関する研究開発をサポートしている。住宅等におけるエネルギーの効率的な利用に資する技術開発住宅等に係る省資源,廃棄物削減に資する技術開発住宅等の安全性の向上に資する技術開発ナギ産業は,この助成に平成年度からヵ年にわたる開発計画で応募し,採択された。開発課題住宅の床下環境モニタリングと生物劣化予測システムに関する技術開発について本開発課題では,住宅の床下などの環境量および腐朽や虫害などの劣化発生を連続的にモニタリングするための小型器具(プローブ)と,計測データを統合的に管理し,維持管理の履歴情報を収集,分析および維持管理に運用するシステムを開発することとしている。実際の開発事業は,関東学院大学工学部建築学科の中島正夫教授および京都大学大学院農学研究科の藤井義久准教授の両先生の助言を頂きながら,実施している。開発の内容と経過床下環境モニタリング器具の開発住宅の床下などに設置できる小型の環境モニタリング器具を開発する。器具は取得する環境量(温度,相対湿度,空気質等)や生物劣化指標の種類,データ収集や器具管理の様式,コストなどに応じて想定されるタイプの様式(表)のうち,小型で簡便,使いきり型で実用化の実現性の高いからの形式のものを試作研究発表会平成年、年度住宅・建築関連先導技術開発助成事業に採択されて元敏郎