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しろありNo.153

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概要

しろありNo.153

し,その性能を評価する。これらの装置は本事業の実施者らが既に考案し,特許などを取得した原理やアイデアを基本としており,これらをより実用化および汎用化することを目的として,開発を行っている。床下環境モニタリング器具の性能評価実際の住宅において,試作器具を設置し,データの収集を行う。住宅の劣化環境は季節的に変動するため,データ収集は年間行っている。実施場所は,関東および関西として,実際の住宅棟を用いてモニタリングを実施している。同時に当該住宅の調査を行い,生物劣化の発生状況や,気候に関するデータを収集している。さらに小型のモデル住宅を棟( 室)構築し,試作装置の基本性能を把握しつつある。モニタリング情報の管理ソフトの開発住宅の基本情報(テキストデータ),図面や現場写真(画像データ),モニタリング結果(テキストデータ)を収録および管理するデータベースを構築する。データベースはインターネットにつながるサーバ上に構築し,新規入力,更新,閲覧などが常時ネット上の任意の端末から行えるものとする。また将来的には床下の基礎および構造材の配置図面と劣化情報とを連動させたカスタム化維持管理用図面を試作する予定である。床下環境評価手法と生物劣化予測手法の技術開発上記の開発実験は平成, 年度に実施しているが,最終年度(平成年度)は,モニタリング調査によって得られた住宅の基本情報,環境量や生物劣化の発生に関する調査を統合して分析し,環境モニタリングおよび劣化環境の評価手法を確立する予定である。技術開発の背景と業界の課題優良な既存住宅のストックの形成上の技術上の大きな課題の一つは,住宅の品質を計測評価するための技術シーズが未整備な点である。とりわけ木造の戸建住宅において最も大きな劣化要因であるシロアリ被害や腐朽などの生物劣化について,その検出や評価,発生予測といった手法の整備は遅れている。その結果既存住宅の現況検査においては腐朽や虫害は,それが最も重要な劣化因子であるにもかかわらず,特定現況検査とよばれるオプション検査項目としてしか取り上げられていない。またこのような状況は,近年普及しつつある耐震診断における保有耐震性能への劣化因子の考慮評価においても課題となっている。住宅の床下を中心とする劣化しやすい環境における環境モニタリングや劣化の評価や予測に関する技術については,これまでシロアリ防除業などハウスメンテナンス関連,リフォーム関連,あるいは不動産流通関連などの業界において若干の開発が見られたが,受け手市場が未成熟であること,既存住宅のバラツキが大きいこと,新規で潜在的には莫大なニーズが見込まれる割には技術を主体的に提供するシーズ業界が育ってこなかったことなどを背景として,十分な進歩を遂げていない。これらの事情を背景として,本開発事業に対する国土交通省からの支援がえられたものと考えてい( )表モニタリング装置の種類(本開発ではを実施)番号タイプ計測量・検出対象備考床下設置型腐朽・虫害の兆候の定性的検出小型で汎用、定期的な点検の際に評価を行う。使いきりタイプ。腐朽菌やシロアリ食害の兆候やこれらを誘引する湿気を定性床下換気口挿入型的にモニタする機能を付与したもの。大壁用簡易点検型土壌用簡易点検型連続計測型温湿度データ収集機能をもつ温湿度モニタ。上記に取付け可能。スポット計測型空気質、空気流、含水率電気・電子式のセンサを用いた生物劣化の定量的な評価用の器具。複合・高機能型との複合型装置一定期間精密に環境を評価するためのセンサ。