ブックタイトルしろありNo.153

ページ
31/64

このページは しろありNo.153 の電子ブックに掲載されている31ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

しろありNo.153

ブックを読む

Flash版でブックを開く

概要

しろありNo.153

頭の副女王年月日小笠原父島のウラジロエノキ立木樹幹中の巣(直径長さ)より頭の副女王が採取された(写真)。大きさは普通のニンフの大きさであるが,拡大観察してみると腹部が膨れておりその姿形はあきらかに女王と思われる(写真, )。さいごに以上,イエシロアリの多女王事例について報告した。この報告における事例のほとんどは小笠原村父島におけるものとなっている。また,巣の採取箇所についてもほとんどの事例が野外の巣となっている。このことについては,次のように考えられる。一般にイエシロアリの巣の発見除去解体は企業活動によって家屋に対する駆除作業の一環として行われる。そこでのイエシロアリの駆除はコロニーの撲滅を最大目標としているため,巣の除去解体は時間差(事前事後処理の実施など)を置き,駆除作業の最終場面で行われることが多い。このため,時間経過により巣内構造が変質している場合が多く,女王の存在や卵,幼虫の有無などが判明できないことがある。そうした事情により女王の発見事例も少なくなっているようである。幸い,筆者は年度より小笠原村のシロアリ対策事業に参画し,山林内における多数のイエシロアリの営巣駆除に立ち会ってきた。さらに,吹上浜山林をはじめとする各地のシロアリ実験地で野外巣の発掘に携わってきた。その経験によってイエシロアリの多女王の事例に遭遇する機会を得てこの報告を行うことができた。イエシロアリ多女王の採取に際しては,株式会社吉野白蟻研究所代表取締役吉野弘章氏をはじめ,小笠原村シロアリ対策団員の皆様,イエシロアリ防除技術研究会の皆様に大変お世話になった。ここに御礼申し上げる。( 宮崎病害虫防除コンサルタント)( )写真頭の副女王写真同上拡大写真同上拡大