ブックタイトルしろありNo.153

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しろありNo.153

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概要

しろありNo.153

( )はじめに昭和年代には,木造建築に関する技術開発が進み,体育施設,集会施設,展示施設など,新しいスタイルの大規模木造建築物が,積極的に建設されるようになった。これらの建物には,工業化された木材(構造用集成木材)が使用されている。一方土木の分野でも木材の活用が図られ,平成年には,建設省のモデル木橋として,構造用集成木材を使用した近代木橋が建設された。その後,全国で,多数の近代木橋が建設され,歩道,車道として使用されている。しかし,木橋は雨水などによる木材の腐朽劣化の欠点があり,建造後も定常的な維持管理,特に腐朽対策が求められている。今回,鹿児島県の木橋で,今まで問題になった腐朽ではなく,イエシロアリの被害が発生した。その被害の状況と駆除について報告する。木製橋梁の仕様名称仙人橋(徐福橋と二連橋を形成)(写真)所在地鹿児島県いちき串木野市冠嶽形式下路式アーチ諸元橋長最大支間幅員用途歩道(公園のモニュメント的木橋)竣工使用材料スギ(アーチ材,床組横桁など)サザンイエローパイン(床板)ボンゴシ(高欄)その他事業主体串木野市建設省モデル木橋防腐建設省モデル事業製作山佐木材株式会社定期点検記録仙人橋・除福橋は,建設省のモデル木橋の第号で,建設年後に定期点検が行われた。その記録を紹介する。年目で一部腐朽の記載がある。点検月日年月日点検者名木橋技術協会点検状況記録床板部分的に腐朽が見られる。再塗装の必要有りと判断される。留意点記録床板木橋の床板は,サザンイエローパイン材を使用しており,含水性が非常に高い。また,架橋位置が山の陰に当たるため,日当たりが悪く,部材が乾燥しにくい設置である。このため,部分的腐朽の進行が見られる。構造的に早急な問題ではないが,対策を検討する必要がある。点検写真内容床板下側の子実体床板の腐朽研究発表会木製橋梁のシロアリ被害と駆除廣瀬博宣しろあり年月写真木製橋梁仙人橋