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しろありNo.154

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概要

しろありNo.154

マレーシア・サバ州ケニンガウ市郊外( )社アカシア・ハイブリッド植林地および社保護林本調査地はマレーシアボルネオ島サバ州の熱帯多雨林地域にあり, ( )社が用材生産を目指したアカシア・ハイブリッドの植林事業を行っている。ケニンガウ市は木材の集積地として木材関連の工場が多く稼働しており,現在でも天然林から切り出された木材を積んだトラックがひっきりなしに通行している(写真)。これまでに計回の調査を実施しており, 社植林地における調査結果の一部については報告済みである) )。以下,その内容について簡単にまとめておく。比較として用いたサラワク州国立公園のデータと比較して,アカシア・ハイブリッド林のシロアリ多様性は著しく低く,年数の経過によってもほとんど回復は認められない。特に土壌食シロアリグループの消失が顕著である。一斉植林前の草原にはシロアリは全く認められず,アカシア植林後に最初に侵入してくるのは食材性のミゾガシラシロアリ科,特に属の種である。木材腐朽菌類の種多様性は保護林よりも低く,林齢によらずほぼ一定であり,一斉植林後などの大きな攪乱からの回復には長期間,例えば年以上が必要であると考えられる。( )写真カッティエン国立公園保護林調査地写真タンラップ・アカシア・マンギウム植林地年生林調査地写真パレンバン市郊外アカシア・マンギウム植林地周辺放置林におけるアカシア・マンギウムのシロアリ被害写真ケニンガウ市の木材工場に向かうトラック