ブックタイトルしろありNo.154

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しろありNo.154

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概要

しろありNo.154

継続と効果的な低減対策が必要なことを示している。今後の課題上述したように,野生の高等動物には,ヒトではみられない特異な汚染や生理機能があり,このことはヒト中心の環境観では生態系は守れないことを教えている。鯨や鳥の汚染がヒトとは無縁であるとする考え方は,もはや地球環境時代に馴染まない。野生生物でみられるの汚染と影響は,ヒトへの警鐘である,すなわち化学物質のリスクから生態系を守ることはヒトに対する安全性の確保にも繋がるという基本理念を育て,生態系本位の環境観を社会に定着させることが今後の大きな課題であろう。将来人間の健康に影響を及ぼす可能性がある問題として,海洋生物の汚染や異常を考える必要がある。また,先進国だけでなく途上国でも汚染は顕在化しており,今後さらに深刻化することが予想されるため,地球環境問題の重要課題と位置づけ条約を適切に履行するなど国際対応をすすめる必要がある。途上国の問題を解決するには,先進国の国際協力や支援が不可欠であり,アジア地域においてわが国の国際貢献が問われることはいうまでもない。法的規制が整備されたため,クロルデンのような毒性の強いシロアリ駆除剤が今後登場する可能性は小さいが,現在流通している安全な薬剤であっても使い方を誤れば地球規模の汚染を誘発するばかりでなく,予期せぬ影響をヒト(作業労働者を含む)や野生生物にもたらす可能性がある。作業労働者はの教訓に学び安心・安全な防除作業を実施する必要があるとともに, 予防原則の理念を踏まえた新規駆除剤の開発と利用が薬剤メーカーやシロアリ防除業界に求められる。引用文献)環境省( ))石弘之( ) 球環境危機報告,有斐閣,)田辺信介・立川涼( ) 沿岸域および河口域における人工有機化合物の動態,沿岸海洋研究ノート,,)磯部友彦・国末達也・田辺信介( ) アジア─太平洋地域の化学汚染,分子でよむ環境汚染,鈴木( )'75 '80 '85 '90 '95 '00 '05 '75 '80 '85 '90 '95 '00 '05??????????0100002000030000400005000002004006008001000050000100000150000200000020040060080010000PBDEsHBCDsPCBsDDTs図日本沿岸のスジイルカから検出された( , )および候補物質(有機臭素系難燃剤, )濃度の経年変化