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しろありNo.155

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しろありNo.155

<研究トピックス>シロアリと菌類の共生金  城  一  彦 ( 7 )しろあり No. 155, pp.7―9. 2011年1月図1 タイワンシロアリの菌園???????????????????????????????????????????????????????????????????????????????? ???????????? ???? ??1. はじめに 高等シロアリのキノコシロアリ亜科に属するシロアリはその巣内で菌類を栽培することが知られている1-3)。キノコシロアリが栽培するきのこはRoger Heim によりキシメジ科,オオシロアリタケ属(Termitomyces)属として分類されている4)。日本では大谷によりオオシロアリタケ(T. eurrihizus)とトガリアリヅカタケ(T. cleypeatus)の2種類のきのこが石垣島,西表島から報告されている5.6)。また,沖縄本島にもオオシロアリタケが分布することが報告されている7)。この2種のきのこはキノコシロアリ亜科,キノコシロアリ属(Odontotermes)のタイワンシロアリ(O. formosanus)が地中の菌園で栽培している。シロアリはきのこに培地を,きのこはシロアリに栄養源を提供し共生の関係にある。 ここでは,相利共生の役割を果たしているタイワンシロアリの菌園について調査を行ったその結果について報告する。 2. 実験方法2.1) 菌園の採集地および採集 菌園の採集は石垣市平得の牧草地で行った。はじめに図1に示した地上に発生した子実体の柄に沿って慎重に掘り進めていくときれいな楕円形の部屋になり(地表から25㎝),その中央に菌園が設置されていた。菌園を取り除いた楕円形の空間にはタイワンシロアリが出入りをしているいくつかの坑道が見られた。大きめの坑道にストローを差込み慎重に横へ掘っていき次の部屋にたどり着いた。同様な方法を繰り返し,図1に示した王室までたどり着いた。分析に供試した菌園はきのこの発生が見られたもので,西表島,石垣島,沖縄本島で採集した。2.2) 菌園の分析 pH 値は風乾試料2.5g に蒸留水25ml を加え,攪拌後pH メーターで測定した。灰分量は乾式灰化法で,炭素および窒素量はミクロコーダーJM10で測定した。重量は取り出した後ただちに測定した。菌園を少量ガラス容器に入れて持ち帰り,乾燥して含水率を求めた。