ブックタイトルしろありNo.155

ページ
15/52

このページは しろありNo.155 の電子ブックに掲載されている15ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

しろありNo.155

ブックを読む

Flash版でブックを開く

概要

しろありNo.155

( 12 )その後小さくなり,自己振動パターンが異なることが明らかとなった。また移動距離は職蟻より兵蟻の方が大きいが,自己振動パターンおよび周波数には明瞭な違いは認められなかった。 アメリカカンザイシロアリでは?頭突き行動? が観察されなかった。前述のとおり?頭突き行動? はエネルギーをより消費する行動である。また,アメリカカンザイシロアリが生息する乾燥した木材は,今回検討した他種のシロアリが好んで生息もしくは加害する湿った木材と比較して,音(振動)が伝わりやすい。このようなことからアメリカカンザイシロアリは?ゆすり行動? だけで仲間に警報伝達を行うと考えられる。4. おわりに 今回ご紹介した各シロアリ種の自己振動パターンは,典型的なパターンだけであり,刺激の種類やその強さ等により異なる自己振動パターンを示す。現在,光刺激以外の刺激に対して,どのような自己振動パターンを示すかなど,継続して研究中である。引用文献1)Ohmura,W., T. Takanashi and Y. Suzuki(2009):Behavioral analysis of tremulation and tapping oftermites,Sociobiology,54,269-274.     図4 ネバダオオシロアリの? 「ゆすり行動」と? 「頭突き行動」の自己振動パターン