ブックタイトルしろありNo.155

ページ
16/52

このページは しろありNo.155 の電子ブックに掲載されている16ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

しろありNo.155

ブックを読む

Flash版でブックを開く

概要

しろありNo.155

?大会講演? 高知県の南海地震対策―要となる住宅の耐震化―本  田  卓  也 ( 13 )しろあり No. 155, pp.13―16. 2011年1月1. はじめに 土佐湾沖の南海トラフを震源とする南海地震について,政府の?地震調査委員会? は,平成22年1月1日を基準日として,今後30年以内に発生する確率を?60%程度? と公表した。一昨年に?50%程度?であったことからすると,切迫度は大きく上昇している。 一方,近年,海外では大きな地震が発生し,地震被害の脅威や悲惨さを目の当たりにした。平成20年5月の中国・四川大地震では,学校などの倒壊により子どもたちをはじめ多くの方が犠牲となり,あらためて,公共建築物の耐震化の重要性が認識される。今年1月のハイチ大地震では,多くの建物倒壊により,死者23万人にものぼる空前の大規模被害が発生した。 さらに,今年2月のチリ大地震では,発生した津波が日本にも到達し,須崎港で1.28mの津波を観測するなど,津波への備えに対する警鐘とも言える事象が起こっている。 これらのことからも,南海地震の特徴や被害の内容を十分理解して,事前の対策や地震後の応急対応,復旧・復興に向けた事前の対策を早期に進めていく必要がある。2. 南海地震の特徴 南海地震は,紀伊半島の南側の海域から土佐湾までの地域におけるプレート境界を震源とするプレート境界型地震である。土佐湾沖のフィリピン海プレートが陸側のユーラシアプレートの下に沈み込むとき,ユーラシアプレートを引き込んで,そこに歪みが少しずつたまり,それが限界に達したとき,プレート境界で破壊が起こって発生する(図1)。 これまでおおむね100年から150年の周期で発生しているが,昭和21年(1946年)の昭和南海地震の規図1 プレート境界型地震の発生メカニズム