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しろありNo.155

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しろありNo.155

( 23 )域に含まれており,全半壊あわせて80%であった。709棟のうち322棟が全壊し,死者が発生した全壊家屋は35棟あり,死者数は54名であった。この地域では全壊100棟あたりの死者数は16.8人で,震災全体の全壊100棟あたり死者5.5人の約3倍となっている。さらに,この全壊35棟中,構造部材に蟻害・腐朽ありと判定されたものが24棟(69%)あり,死者数は36名であった。一方,死者の発生した全壊家屋で蟻害や腐朽を受けていないものはわずか3棟であった。構造部材の生物劣化による断面欠損や接合部の脱落が木造住宅の粘りを失わせ,架構を瞬時に瓦解させることで生存空間を喪失させたと考えられる1)。5. 2004(平成16)年新潟県中越地震における木造被害の特徴 2004(平成16)年10月23日に発生した新潟県中越地震(M6.8)は最大1,746㎝ /s2という非常に大きな地動最大加速度や阪神・淡路大震災以来の震度7を計測したにもかかわらず,死者40名,全壊2,876棟,半壊11,122棟の被害であった。さらに,発生直後に強い余震(震度6強)が2度も発生している。直ちに実施された被災建物の応急危険度判定によると,余震等で倒壊し人的被害の発生が予想される危険と判定されたものが14.5%,要注意が30.8%,建物の損傷がないか軽微で危険性が少ない区分の調査済みとされたものが54.7%であった。 弾性加速度応答スペクトルによると,ほとんどが0.5秒以下の短周期が卓越している。土壁などの古い木造建物では上述のキラーパルスとされる1~2秒の周期帯が危険であるが,この帯域は兵庫県南部写真4 蟻害による隅柱注脚部の欠損写真3 1階が店舗部分に壁がほとんどない???? ?????? ?????? ?????? ?????? ?????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????? ???? ????図3 神戸市東灘区東部地域の木造住宅の被害図2 神戸市東灘区東部地域の調査地域