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しろありNo.155

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しろありNo.155

( 27 )  クロタマムシの被害がこれほど大きいとは予測しなかった。古い木の松脂が残っていた実態確認した。建物全体の解体部材の調査をして,被害の全体像がつかめて本当に有益な研修になった。3. 寺院の防除歴について 平成13年9月に従来工法により建物全部を施工,庫裡は小屋組,床組のヤマトシロアリ駆除でした。平成19年8月に建物全部の床下と外部GL より1mの目視検査を実施。目的は本堂解体の検討資料として現状を確認するためのもので,ヤマトシロアリの被害は認められなかった(解体予定の倉を除く)。4. 木造建物は昔からクロタマムシの被害があった 木造建物の解体時,シロアリ被害ではない大きな被害がよくあるとの話を業者の方から聞いていた。今回の解体被害材の内部調査でこれがクロタマムシではないかと,強く推測しました。今後解体家屋の情報入手に努めたい。 現時点で,築165年の本堂解体(ヤマトシロアリ地帯)の調査と別の築200年代(イエシロアリ地帯)の寺院の調査でクロタマムシの被害状況が分かりました。また築2~3年から30年代の建物は,松枯問題の影響を受けて,被害程度,範囲共,全国的に大きく拡大しているものと推測できる。5. クロタマムシは何故置き忘れたのでしょうか? ある大手の寺社建築会社の棟梁さんに直接話を聞いた。?小屋組の構造材にはどの木材が一番良いか?? 即座に?松に決まっている? とのことである。 また林業産地の関係者の方は,何度聞いても ?そんな虫はおりませんよ? との話である。現在ではそんな産地にもクロタマムシが生息していることが確認されている。この2つの話を聞いて,何とか国の図2 寺の建物配置図(矢印は風雨の方向)ヤマトシロアリ地帯,京都西園寺家の領有時代のお寺である。