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しろありNo.155

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概要

しろありNo.155

( 38 )写真20 旧大司教館軒構造写真19 旧大司教館外観写真21 旧大司教館ポーチ柱木部処理写真18 旧羅典神学校床下土壌処理 長崎市の旧大司教館の予防施工を紹介する。1) 旧大司教館の概要 長崎市の大浦天主堂の右側に1915年司教の住居として,ド・ロ神父が私費で建造した司教館である。1959年,長崎が大司教国になるにともなって大司教館となった。煉瓦造りの3階建ての大きな建物で,日本瓦を有した屋根構造で,北側が切妻屋根,南側が寄棟屋根で形成されている。2) 施工状況 旧大司教館の工事写真を以下に示す。建物外観を写真19 ~ 20に示す。木部処理状況を写真21に示す。本建物でも部材に傷を付けないことを徹底し施工した。薬剤は日本エンバイロケミカルズ㈱の予防駆除剤キシラモントラッドを使用した。9. ま と め 2010年,長崎の貴重な文化財,教会群のシロアリ予防施工を行うことができた。これまでの自治体の白蟻対策としては,自治体の管理する建物にシロアリ被害が発生し,その対応として白蟻駆除事業が行われてきた。今回は,文化財の保全として長崎県により白蟻予防事業が行われた。既存の建物についてシロアリ被害を未然に防止する目的で,シロアリ侵入防止措置として予防事業が行われた。 長崎の教会群は,100年を有する建物が殆どであり,この歴史的な建物を確実に保存し,次世代へ継承することが求められている。?日本しろあり対策協会長崎県支所としては,今後も長崎県に協力し,教会群の保存保全事業に積極的に対応したいと考えている。また,長崎県民として,長崎の教会群が適切に保全され,世界遺産に早期に指定されることを期待したい。 最後に,今回の教会群白蟻予防事業施工にあたり,文化財としての対応で,適切な指導助言をいただいた長崎県関係機関およびその担当者に感謝する。(長崎県支所支所長)