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しろありNo.155

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しろありNo.155

( 44 )る。羽アリの発生がなく,被害が少なく,畳,柔らかい木材が加害されている場合,3年以下の営巣と判断する。念のため,被害部の職蟻を確認し,小さい職蟻(若職蟻)が多いことを確認する。② ボックスの設置方法 4年以上の営巣では,原則として,蟻道にボックスを設置する。3年以下の小さな営巣では,職蟻の数が少なく,活性も少ないため,次の工夫をする。1) 職蟻が多く生息する被害部にボックスを設置する。(例:畳,幅木など)2) ベイト剤と被害部が密着するように,導入部を設ける。(写真14) 駆除した建物は,1階は鉄筋コンクリートの駐車場で,2階スラブ上に木造平屋を建造した建物である(写真18)。雨漏り,水漏れにより,2階床組木材腐朽部に羽アリが営巣したと思われる。営巣場所は床が低く確認できなかった。被害箇所は,脱衣所の床,和室の畳などであった(写真19)。2階柱,2階天井などには被害はなく,被害量は全体として写真14 導入部を新たに設けたボックス写真16 ブリングベイト200g(A剤+B剤)投与写真17 導入部までベイト剤を投与写真15 ブリングベイトA剤1袋(160g)投与3) 導入部隙間は通常より大きくする。(巾拡張)③ ベイト剤投与量 2,3年目の若い小さな営巣は,80~200g しか喫食しない。ベイト剤を用いた駆除では,営巣の大きさに見合ったベイト剤を投与し,ボックス空間を確保することにより,シロアリの挙動を観察し易くする。被害状況から営巣の年数を判断し,ベイト剤の初期投与量を次のように二通りにする。1) 4年以上の営巣では,初期ベイト剤投与量は400g とする。2) 3年以下の小さな営巣では,初期ベイト剤投与量を通常の半分200g とする。(写真15,16)  拡張した導入部にもベイト剤を投与し,被害部にベイト剤を密着させる。被害部へのベイト剤密着により,シロアリをボックスへ確実に誘導する。(写真17)④ ベイト剤初期投与200g 駆除事例 3年半と思われる営巣の駆除事例を紹介する。