ブックタイトルしろありNo.156

ページ
14/52

このページは しろありNo.156 の電子ブックに掲載されている14ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

しろありNo.156

ブックを読む

Flash版でブックを開く

概要

しろありNo.156

( 11 ) 本建築物は200年を経過した建物である。超音波伝搬速度の計測については,乾材シロアリによる被害を受けている部材で1,500m/s を下回る値が得られ,これらの部材については強度が低下しているものと考えられる。また,乾材シロアリによる被害は柱脚というよりはむしろ柱頭部に多くみられた。被害がみられた箇所についてAE センサによるシロアリの活性の調査を行ったが反応は見られず,シロアリを発見するには至らなかった。次に,含水率については,外回りの柱脚部で高い部材がみられた。雨期の始まりに調査したため,外部と内部で含水率に大きな差がみられたと考える。また,前述と同様に含水率と超音波伝搬速度についての相関はみられなかった。王宮型のジョグロと異なり,柱は基本的に塗装などされておらず,乾材シロアリの被害が柱全体に見られるものもあり,中には被害箇所を樹脂のようなもので埋めている部分もあった(写真6)。 建物の規模および建築年数の若干異なる二つの建物(王宮型と住宅型)について比較すると,規模が小さいためか,Guest House の方が建物の状態が良写真6 乾材シロアリによる柱の被害(左)と食害部位の補修(右)柱番号含水率(%) 超音波伝搬速度(m/s)下部中部 上部下部中部上部A-1 21.0 12.5 12.0 1,500 1,358 1,440A-2 20.5 12.5 7.0 1,812 1,850 1,859A-3 25.0 10.5 6.5 1,761 1,587 1,595A-4 15.0 11.0 10.5 1,552 1,572 1,446B-1 ― 15.5 13.5 1,765 1,739 1,827B-2 19.0 8.5 11.5 1,601 2,004 1,963B-3 18.0 10.5 9.5 2,000 1,841 1,780B-4 16.5 9.5 9.0 1,821 1,664 1,694C-1 ― 12.5 10.0 1,603 1,950 1,581C-2 14.5 9.5 10.0 1,684 1,905 1,905C-3 22.0 12.5 15.5 1,818 1,839 1,818C-4 19.0 12.0 13.5 1,595 1,603 1,546D-1 16.5 11.0 11.0 1,943 1,875 1,705D-2 28.5 13.0 13.5 1,779 1,833 1,681D-3 24.5 10.0 10.5 1,614 1,818 1,690D-4 17.5 13.0 11.5 2,033 1,842 1,888表2 住宅型ジョグロ(ゲストハウス)の柱の含水率と超音波伝搬速度NB D1A C2341m1m????図2 住宅型ジョグロ(Guest House) の柱配置図