ブックタイトルしろありNo.156

ページ
23/52

このページは しろありNo.156 の電子ブックに掲載されている23ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

しろありNo.156

ブックを読む

Flash版でブックを開く

概要

しろありNo.156

( 20 )3. レイビシロアリ科の防衛方法 主に熱帯・亜熱帯域に広く分布しているレイビシロアリ科のシロアリは,日本には4属7種が生息しており,そのすべての種が南西諸島にも生息している5)。コウシュンシロアリなどのNeotermes 属,アメリカカンザイシロアリなどのIncisitermes 属,サツマシロアリなどのGlyptotermes 属およびダイコクシロアリなどのCryptotermes 属である。 Neotermes 属,Incisitermes 属, およびGlyptotermes属の兵隊は,オオシロアリ科の兵隊と同様,堅く発達した大顎を用いて,かみつき型の物理的防衛を行う(図3,4)。しかし,レイビシロアリ科の仲間は動きが非常に鈍く,オオシロアリ科の兵隊に比べて攻撃性(果敢さ)は弱い。そもそもレイビシロアリ科の仲間は,それほど腐朽の進んでいない乾燥した堅い材の中で細い蟻道を造りながら生息しているため9,10),外敵の進入も少ないと考えられる。 Cryptotermes 属の兵隊は前述の3属とは大きく異なり,全面が非常に堅くなった頭部を用いて,巣の出入口にぴったりと収まり敵の巣内への侵入を防ぐ図2 オオシロアリ科の兵隊頭部。Hodotermopsis 属(オオシロアリ:左)の大顎の方がZootermopsis 属(ネバダオオシロアリ:右)よりも鋭く内側にカーブしているため,挟まれると非常に痛い。スケールバーは1㎜。図3 コウシュンシロアリの攻撃。敵に対して大顎を使ってかみついて攻撃する。攻撃性(果敢さ)はオオシロアリ科に比べて弱い。図4 かみつき型のレイビシロアリ科の兵隊頭部。かみつき型のレイビシロアリ科であるNeotermes 属(コウシュンシロアリ:左),Incisitermes 属(アメリカカンザイシロアリ:中央)およびGlyptotermes 属(サツマシロアリ:右)の兵隊の大顎は,オオシロアリ科と同様に堅く発達している。スケールバーは1㎜。