ブックタイトルしろありNo.156

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しろありNo.156

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概要

しろありNo.156

( 2 )イン製,ワラジムシに使用せず)も供試薬剤とした。2.3 シロアリ用薬剤残渣面を通過したトビイロケアリとクロクサアリに対する影響 あらかじめ水で成分濃度を0.1%に調整した希釈液へ,長さ50㎜直径5㎜のポリプロピレン製ストローを1分間浸漬させた後,室内で24時間乾燥させた。2個の蓋のない直径30㎜高さ50㎜のポリエチレンフタレート製35㎜フィルムケースの下端に直径5㎜の穴を開け,殺虫剤処理済みのストローで連結して通路区とし,一方のケースに10%砂糖水約1.5mlを含ませた脱脂綿(0.5g)を置いて餌場区とし,他方のケースを入口区とした(図1)。無処理のストローは薬剤処理をしなかった。供試した2種のアリは,刺激によりパニック状態となり特有の揮発物質を発散するため,あらかじめ275ml のスチロール製樹脂カップに10個体ずつ入れて沈静化させた後,実験開始とともに2種の供試虫をそれぞれの装置の入口区へ手早く投入し,経過時間ごとの仰転個体数と試験装置の各区に滞留する個体数を記録した。仰転は供試虫が横転し,脚が痙攣して歩行困難となった状態とした。なお試験開始6時間後に供試虫を水で湿らせたろ紙を敷いた直径90㎜のペトリ皿へ移し変えて,24時間後に完全に動かなくなった状態を死亡とみなした。フィルムケース,カップとペトリ皿の内側には登はん防止のタルクを塗布した。実験は各薬剤とも試験装置に直射日光が照射しないように窓をブラインドで遮光した室温25℃,湿度55% RH の室内で5反復ずつ行った。実験期間は2006年7月21日から7月29日までであった。2.4 ワラジムシのシロアリ用薬剤に浸漬した死骸に対する喫食の影響 供試薬剤を水で希釈し,有効成分濃度を0.1%に調整した。飼育中のワラジムシを希釈液へ瞬間浸漬(0.5秒以内)した後,供試薬剤および雌雄別に直径90㎜のペトリ皿へ移し,24時間後に死亡を確認した上で,冷凍保存し,供試時に解凍して処理死骸として供試した。供試死骸は供試個体と同性の個体とした。対照区には飼育中に死亡した死骸を用いた。直径90㎜のペトリ皿の底面に,ワラジムシが潜り込まない程度に水を含ませたろ紙を敷いて密着させ,中央に処理死骸を置いた。ワラジムシ雌または雄を10個体投入して逃亡防止のため蓋をし,5日間,死亡個体数と死骸の喫食状況を記録した。仰転せずに死亡する個体があるため,つまよう枝による刺激に対して全く反応せず,脚が動かない個体を死亡個体と見なした。実験は2009年8月8日から8月19日までの期間であり,5反復行った。室温は21 ~ 25℃であった。喫食程度の判定は①-:食痕跡なし,②+:触角や脚を食べた,③2+:体の一部を食べた,④3+:ほとんど食べた,の4段階とした。 3. 結果および考察3.1 シロアリ用薬剤のトビイロケアリとクロクサアリに対する影響と忌避性 シロアリ用薬剤の残渣面を歩行させた影響として,表1にはトビイロケアリ,表2にはクロクサアリに対する仰転効果を経過時間ごとの仰転率と24時間後の死亡率,そしてそれぞれの表に,集計記録からエクセル上に経過時間―仰転個体数近似線を作成して得たKT50値を示した。無処理では両供試虫ともに6時間後以前の仰転率は0%で,24時間後の死亡率は2%であった。フェニトロチオンはトビイロケアリの方に速く効果があらわれ30分後28%,1時間後86%,2時間後100%の仰転率で,KT50値が0.7時間であった。それに対しクロクサアリでは1時間後48%,2時間後98%の仰転率で,KT50値が1.4時間であった。シロアリ用土壌処理剤では,ピレスロイド系ビフェントリンでは実験開始後ただちに供試個体がパニック状態となり,通路区を通過しない個体が観察されていたにもかかわらず,トビイロケアリで6時間後に100%,クロクサアリで54%の仰転率であった。またKT50値はトビイロケアリに対し?????????????? ??????????????????????????????????????????????図1 残渣接触実験装置