ブックタイトルしろありNo.157

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しろありNo.157

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概要

しろありNo.157

( 25 ) 天井の巣から飛び出した羽蟻は外に脱出することが出来ず死骸となって窓際や戸道に留まっている状況であった(写真13)。 イエシロアリは低層住宅,高層住宅に関係なく侵入して建物に被害を与える。マンションの9階部分にも侵入して建物内部を食害し加害箇所を広げていたということは羽蟻が群飛可能な距離まで飛んでいきそこが生息するのに適した場所であったと考えられる。 今まで考えられていたイエシロアリの被害例として,シロアリは地下の土壌中の水分を必要と考えられていたが,この被害例の場合は土壌中の水分とは関係なくベランダなどの雨水を利用して建物内部の木部や畳,カーペット等を食害している。 最近このような被害事例が多くなっている。 我々白蟻業者はこのような被害状況に対しその対策を講じなければならないと思う。 例えば木部処理のみならず,コンクリート処理法等を取り入れながら防除対策をより万全のものにしなければならない。 建築物へのシロアリ侵入経路としては電気ケーブルを利用して入ってくるのがよく見られる(写真14,15)。 埋設されたケーブルをつたって簡単に建物内部に入りそれからシロアリの餌となる木材部や電気ケーブルを食害し玄関のインターフォンやテレビモニター等の電気系統が使用できなくなるケースが沖縄県においては少なくない。 建物以外にシロアリの被害があったのはプレジャーボートの被害である(写真16)。港(バース)に停泊しまた陸揚げされたボートに食害があり,エンジンルーム,キャビン,デッキの木材部分は大きなダメージで船の操縦に影響を与え補修等にも莫大な費用を費やした例もある。 生立木のシロアリの被害はイエシロアリによるものが多く,樹齢300年以上の琉球松が台風の強風によりなぎ倒されたが,その木はシロアリの被害にうけ木の中央にはイエシロアリの栄巣があった。 また南洋杉もイエシロアリの被害をよくうける木写真14 蟻土で覆われた電気ケーブル写真15 電気ケーブルに出来たイエシロアリの巣写真16 シロアリの被害を受けたボート写真13 窓枠に集まったイエシロアリの羽蟻