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しろありNo.157

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しろありNo.157

( 37 )4. ま と め イエシロアリに対するセンダン,モロコシソウ,ヨモギ,トウガラシ,リュウキュウアイ,イジュの活性を検討した結果,センダン,モロコシソウ,ヨモギ,イジュ,トウガラシのメタノール抽出部に阻害活性がみられた。またセンダンとモロコシソウのメタノール抽出物を混合すると活性が増加し,1日でシロアリが全滅した。 抽出済みの3種の葉は香りが出るまで乾燥すると,蚊を寄せ付けず,蚊遣りとして使用することが出来ることを明らかにした。引用文献1)社団法人日本しろあり対策協会(2011):“防除薬剤等の現状”,3-4.2) 安田いち子・仲宗根幸男・金城一彦・屋我嗣良(2000):琉球諸島および南・北大東島におけるシロアリの形態と分布,Jpn. J. Entomol.,3,139-156.3)安田いち子・金城一彦・屋我嗣良(2003):沖縄島から初めて発見されたIncisitermes minor(Hagen)アメリカカンザイシロアリ,Jpn. J. Entomol.,6.103-104.4)屋我嗣良(1980):沖縄産材の講義性について(第6報)センダン材の殺蟻成分,木材学会誌,26,494-498.5)岡田 稔(2003):“牧野和漢薬草大圖鑑”,北隆館,262,386,538,465,492.6)牧野富太郎(2003):“原色牧野植物大圖鑑”,北隆館,319.(ハウスターマイト)図4 混合試料の殺蟻活性の比較A:センダン,B:モロコシソウ,C:リュウキュウアイ     写真12 木片による試験果を図4に示した。 図4よりセンダンとモロコシソウの5倍量を混合することにより,活性は増加し,シロアリが全滅するのに要した日数がセンダンで7日,モロコシソウで9日であるが混合すると1日でシロアリが全滅し,著しく活性が増加した。また,混合液にリュウキュウアイを添加したものも同様の活性がみられた。 リュウキュウアイは各濃度で活性がみられなかったが処理時の着色材(無害)として有効であると考えられたので使用した。リュウキュウアイは染料として用いられていて,染色した材料の保存性を高くするといわれているが,防蟻効果は全く見られなかった。 実際の木材への塗布使用を目的として,活性の見られたセンダンとモロコシソウの混合液を木材片(2×5×10㎝)に塗布し,容器(10×20×30㎝)に入れ,イエシロアリを投入し試験を行った。その様子を写真12に示した。 写真から明らかなようにコントロールの木材片にはシロアリが集まり食害の様子が見られるが,処理木片にはまったくシロアリがみられず,混合液は殺虫作用と忌避作用を示していると考えた。