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しろありNo.157

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概要

しろありNo.157

( 2 )昭和57年12月 宮崎県支所は,延岡市高野町の井戸水汚染原因は,訪問勧誘業者による不要な工法,建物外周の土壌加圧注入工法とし,同工法の蔓延は地下水汚染を招くと,同工法の危険性を指摘した報告書を協会に提出した。しかし,報告書は封印され,公開されることはなかった。昭和58年3月 公明党中野鉄造議員 延岡の井戸水汚染の対応について国会で質問。建設省答弁?近々発行する,技術指針で対応する?。昭和58年3月 延岡市高野町の井戸水汚染家屋37戸に増加昭和58年6月 ?木造建築物等防腐・防蟻・防虫処理技術指針・同解説?発行       監修:建設省住宅局建築指導課       発行:社団法人日本しろあり対策協会       (要点)       土壌処理の方法:散布法または混合法のいずれかとする。(加圧注入法を廃止)       井戸水汚染対策として,作業上の注意事項,処理を行う者の規定,解説を設けた。昭和58年8月 昭和57年7月延岡市川島町でも井戸水汚染が発生していたことが判明した。施工から1年経過後の井戸水からクロルデン検出(汚染家屋1戸)昭和59年8月 串間市宮浦で白蟻薬剤クロルデンによる井戸水汚染発生(汚染家屋4戸)昭和60年12月 環境庁は13地域15種の生物からクロルデン検出。最高濃度前年の2倍に昭和61年9月 白蟻防除薬剤クロルデン使用禁止(化審法の特定化学物質に指定)昭和61年9月 白対協 防除施工標準仕様書改訂       土壌処理は,原則として建築物の基礎に囲まれた床下の土壌を対象とする。(外周処理の廃止)昭和61年10月 ?木造建築物等防腐・防蟻・防虫処理技術指針・同解説?改訂版発行       監修:建設省住宅局建築指導課        発行:社団法人日本しろあり対策協会       (要点)       基礎の内周部および束石の周囲は必要に応じて防蟻のための土壌処理を行う。(外周処理の廃止)昭和62年5月 延岡市稲葉崎町で白蟻薬剤クロルデンによる井戸水汚染発生(汚染家屋4戸)2.2 短期・長期の環境汚染 前項に示した環境汚染の経過から,白蟻薬剤による環境汚染は,井戸水など地下水の汚染と,湾岸などの底土・河川水・生物への汚染に分けられる。この二つの汚染は,発生までの経過時間が異なることから,短期の環境汚染と長期の環境汚染に区分できる。本報告書は,短期の環境汚染として宮崎県延岡市,串間市の地下水汚染を報告する。長期の環境汚染については,他の報告を参照されたい。① 短期の環境汚染  短期の環境汚染は,施工当日又は施工後数日で発生する井戸水汚染,地下水汚染とする。短期の環境汚染は,不適切な施工により薬剤(液剤)が家屋外へ流出し発生する。② 長期の環境汚染 長期の環境汚染は,薬剤が吸着された土壌などが,雨水などにより流出,河川,湖沼,湾などの底土に長い時間を経て蓄積する汚染と,白蟻薬剤が雨などにより屋外へ流出し,薬剤成分が河川水などから長期に渡り検出される汚染とする。 長期の環境汚染では,白蟻薬剤に含まれる成分の化学的性状により,生物濃縮などの問題が発生する。原因物質として,ディルドリン,アルドリン,クロルデンなどが特定化学物質に指定され,使用ができなくなった。3. 白蟻薬剤による地下水汚染 宮崎県延岡市,串間市で発生した,白蟻薬剤による地下水汚染の発生時期,発生場所,汚染状況などを報告する。3.1 地下水汚染発生時期と使用薬剤 汚染は昭和57年から昭和62年の間に4箇所で発生した。全て施工当日に井戸水の異常が判明,白蟻薬