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しろありNo.158

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概要

しろありNo.158

( 14 )図14 伊勢神宮の外幣殿概観上:建築直後 下:ほぼ20年後の様子図15 厚く堆積した土壌層を持つ御塩殿屋根図16 伊勢神宮の諸社殿で軒下から見た際のV字型黒変部分図17 曲がった構造の山形県熊野大社茅葺き屋根。雨水の流れが集中しがちな曲がり部分で生劣化が進行し易い。3.4 その他の生劣化 土壌化した茅葺き屋根には,植物質を栄養源とするササラダニやヤマトシロアリが生息している3)。これらもおそらく茅葺き生劣化の一因となっている可能性がある。 また,茅葺き生劣化の重要な原因に鳥類による引き抜きがある。鳥類は巣作りなどのために,茅葺き屋根から茅を引き抜く。その結果,抜かれた部分は空洞となり,降雨時に周囲から雨水が集まりやすくなる。その結果,この部分では菌類の繁殖が旺盛となり屋根の劣化が進行する。そこで鳥類による茅の引き抜きを防ぐために,いくつかの試みがなされている。平林寺では茅葺きに金網をかけている。また今回調査した茅葺きの多くで,アワビのカイガラを逆さにして屋根に並べている。この場合,釣り糸を張り巡らせることと併用している。これらの様子を図18に示す。なお,アワビのカイガラを用いるのは関西風であるらしいことを記しておく。