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しろありNo.158

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概要

しろありNo.158

( 2 )3.実験住宅における各種測定および菌採取・同定  実験3.1 温湿度環境などの測定と菌の採取(図2参照)3.1.1 外気,床下温湿度の測定 温湿度計(エスペック社RS-12)を試験棟に隣接した百葉箱内(図1参照)と各区の床下中央に設置し,20分ごとに測定した測定値から10日ごとの平均値を算出した。測定期間は,2011年3月1日から同年11月18日までである。3.1.2 床下土台含水率の測定 各区の床下土台の北面,南面および密閉区では西面,換気区では東面のそれぞれ3ヶ所で,高周波含水率計(エーデス機械産業DELTA-200XL)を用いて所定期間ごとに測定し,試験区ごとに平均値を算出した。3.1.3 外気,床下空間の落下菌の採取 PDA 平板培地(ベンレート,テトラサイクリン塩酸塩各100 ppm 含む)を,試験棟周辺2ヶ所と各区の床下3ヶ所にそれぞれ5枚ずつ設置し,10分間開放した後,27℃で7日間培養した。ベンレート,テトラサイクリン塩酸塩は,それぞれカビ類や細菌類の繁殖を抑制するので,担子菌の成長がこれらの微生物によって阻害されないようにするために添加した。3.1.4 床下土台付着菌の採取 各区の床下3ヶ所の土台に,粘着透明テープ(10×1.8 cm)を無菌的に付着させた。回収したテープを滅菌脱イオン水に浸漬して30秒間超音波洗浄した後,その水を1ヶ所につき5枚のPDA 平板培地(ベンレート,テトラサイクリンを各100 ppm 含む)に100μL ずつ塗沫し,27℃で7日間培養した。3.1.5 落下菌,土台付着菌数の測定 培養後,培地に発生したコロニー数を目視により計測し,落下菌,土台付着菌それぞれについて,各区15枚(外気落下菌は10枚)の平均コロニー数を算出した。 なお,3.1.3 ~ 3.1.5の実験の前には,密閉区および換気区の基礎面,空間および土台表面を70% エタノールであらかじめ滅菌した。3.2 担子菌の同定と相同性の検討 床下落下菌,土台付着菌を培養後,コロニー形態の観察により担子菌と推定されたものについては,以下の手順でDNA塩基配列に基づく同定を行った。まず,PDA 培地上で純粋培養した菌糸をできるだけ培地が混入しないように少量かきとり,これをマイクロチューブに入れてジリコニアビーズとともに25 Hz で2 分間ホモジネートした。ここからISOPLANT Ⅱ(ニッポンジーン)を使ってDNA を抽出し,それを滅菌したTE 緩衝液に溶解した。図2 実験住宅の基礎矩計図と床下に設定した菌の採取点