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しろありNo.159

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概要

しろありNo.159

8⑦建築工事費:4,000 万円以下(基礎工事, 設備, 外構等工事を含む総工事費)⑧建築地の気候条件:冬期に晴天の日が多く, 夏期に高温多湿で日射量の多い太平洋側のIV 地域(省エネルギー基準による地域区分)⑨耐震性能:壁量は建築基準法に規定の2倍以上⑩断熱・気密性能:下記⑪の省エネルギー性能をめざした断熱・気密性能とすること⑪省エネルギー性能:3kw 程度の太陽光発電パネルを装備した場合に, エネルギー収支がプラスになる創エネルギー住宅となることをめざすこと⑫耐久性:日本住宅性能表示基準における「劣化の軽減」において, 等級3以上⑬室内空気質:日本住宅性能表示基準における「室内空気中の化学物質濃度等」の特定測定物質の放散に配慮した建材を使用⑭特記事項:実施設計においては, 研究遂行上の理由から部分的な変更を求めることがある最優秀賞は神家昭雄建築設計室(岡山市)の作品が受賞した。設計コンペの詳細については, 参考文献1)をご参照いただきたい。最優秀賞作品の最大の特徴は, 耐力壁に厚物合板を用いて耐震性を, 内壁に土塗り壁(漆喰仕上げ)を用いて居住快適性を, それぞれ付与しているところである。平成21(2009)年度に実施設計を行い, 平成22(2010)年度に施工・竣工した。図1~3に, 実験住宅の写真と平面図を示す。 作品では, 耐久性に関する設計条件である⑫に対しては, ベタ基礎を採用したこと, 土台にヒノキを採用したこと, 地面から1mまでの土台・柱等に防蟻処理を施すこと等の配慮がなされている。2.特別な仕様について 一方, 当初の作品にあった仕様に対し, 研究者側が耐久性上もっと配慮すべきであるとして設計の変更を要望した部分があった。また, 研究上の理由から, 仕様の変更をお願いした部分もあった。それらについて,以下に紹介する。1)外壁:作品では外壁に焼杉を採用していたが, どれくらいの耐久性があるか保証できないとして,実験住宅ではスギの下見板張りに保護塗料(キシラデコール)を塗布した。2)軒の出:作品のけらばは500mm程度であったが,外壁等への雨がかりを抑えるため, けらばをすべて900mm程度まで長くするよう設計変更をお願いした。3)浴室:作品では現場造りの浴室で, 内壁はヒノキ板張りにすることとなっていた。しかしながら,浴室内の湿気が躯体の木材まで浸透し, これらに劣化を引き起こす可能性があるため, 現場造りではなくユニットバスを採用していただいた。4)土台(図4):薬剤処理したヒノキ製材(インサ図3 実験住宅の平面図(左:1階, 右:2階)