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しろありNo.160

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概要

しろありNo.160

Termi te Journal 2013.7 No.160 21写真2 北側外周壁のメインフレーム(板金被覆)であった。 建物の外壁は, 前述のように構造部材が「表わし」で使われていて軒の出がなかった。高い壁面を持つホールに庇などは存在しなかった。ただし, 北壁面のメインフレームは板金で部分的に被覆されていた(写真2)。柱の基部は金具固定され, 地上約50㎝の高さまでコンクリート巻きされていた。コンクリート巻きされた柱脚部に水抜き孔等の排水機構は設けられていないと推定された。屋内の床下土壌はコンクリートで被覆されていた。ただし, コンクリートの亀裂や収縮による隙間が発生しており, シロアリが通過可能なルートが形成されていた。建物内側の壁面(とくにホール南面)には, 顕著な漏水痕が認められた。 したがって, 当該建物は「雨仕舞い」に関して重大な課題を抱えていると推定された。3.点検技術者等主技術者: 矢田 茂樹(横浜国立大学名誉教授, 農学博士, 専門:木材工学)点検作業を統括するとともに, レジストグラフ診断の実務を担当した。副技術者: 岡田浩二, 磯 和孝, 柴田良学(株)吉田製油所, 木材劣化診断士)目視・打診等の一次診断及びピロディンによる二次診断を担当した。副技術者: 齊藤 潔(齊藤木材工業(株), 一級建築士,木材劣化診断士)レジストグラフ診断の支援及び記録を担当した。支援者: 宇佐美正仁, 深澤麻希(静岡市生活文化局文化スポーツ部, スポーツ振興課)設計図面の用意, 点検箇所の確認, 脚立の用意等, 点検作業の支援を担当した。 4.点検箇所 設計図面をもとに点検箇所を設定し, 番号付けを行った(図1)。外周壁の柱の基部は全て点検対象になっている。番号付けに関して, アルファベットのA(一部の箇所ではB)は西壁面, Eは東壁面, 数字の1は北壁面, 数字の12は南壁面を示している。ABのようにアルファベットが二文字書いてある箇所は, AとBの中間にある管柱を指している。図1 点検箇所の設定と番号付け