ブックタイトルしろありNo.161

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概要

しろありNo.161

46 T e r m i t e J o u r n a l 2 0 1 4 . 1 N o . 1 6 13.今後の取り組みと課題 今回は, 県内の6市町村で50棟の避難所の調査を行った結果, 40%に当たる20棟にシロアリ被害が発生していることが判明した。また, この調査結果を受けて, 避難所の7棟について耐震改修が予定されている。これは, シロアリ被害調査により, 避難所の安全性に対する厳しい現状を知ったことがきっかけとなったものと考えている。 一方, シロアリ被害調査のみで, 避難所の安全性を全て評価できるものではなく, シロアリ被害があったとしても, そのことだけを解消することで, 安全性が確保できるものではない。そのことは, 調査報告を受けた後に, 耐震診断を実施していることが物語っている。今回の調査対象となった避難所に限らず, 建築物の安全性を適切に評価するには, 建築士等の協力を得て, 調査を同時に実施することで, より精度の高い結果を得ることが可能となる。 現在, 高知県では, 建築関係団体が避難所の劣化度や耐震性を調査し, その結果を避難所の管理をしている市町村に報告する事業の実施に向けた取り組みをすすめており, それら建築の専門家とシロアリの専門家が連携することにより, 建築物の安全性に関する精度の高い調査結果が得られることができると考えている。4.まとめ 前述したように, 高知県内では避難所が不足しているだけでなく, 現在, 避難所として位置付けているものの安全性を確保することが課題と言われている。特に, 今回の調査でシロアリ被害を受けていることが判明した避難所については, 現在耐震改修が予定されている7棟以外についても, 耐震改修等の避難所の安全性の確保に向けた取り組みにつながることを期待している。 そのためには, 引き続き避難所のシロアリ被害調査を進めていくとともに, 避難所の適正な管理が行われるよう, 県及び市町村等の行政機関, 地域の方々と協力を行っていきたいと考えている。 本調査及び資料作成につきましては, 高知県土木部住宅課, 北川村, 土佐清水市, 香南市, 土佐市, 南国市,黒潮町にご協力いただきました。写真4 畳, 床板の蟻害写真5 布基礎の蟻道写真6 大引の蟻道写真7 束柱, 大引の蟻道