ブックタイトルしろありNo.161

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概要

しろありNo.161

Termi te Journal 2014.1 No.161 47研究発表Research Presentationsベイト工法によるヤマトシロアリの駆除事例住化エンビロサイエンス株式会社 安芸 誠悦・川畑 朝子相奈良賢治・前西  馨1.はじめに シロアリによるベイトの喫食状況を調べる場合, 地中に埋設したステーション(容器)内のベイトを取り出して観察する必要がある。ヤマトシロアリではこの作業中に過度の刺激を与えると逃げてしまい, そのベイトに寄り付かなくなることがよくある。 これを避ける方法の一つに, ベイト入りステーションと観察用の木材入りステーションを隣接して埋設し, 観察用の木材のみを観察する方法がある。本稿ではこの方法によるヤマトシロアリの駆除施工を行う機会を得たのでその事例を報告する。2.駆除事例の概要 大阪府にある施設の敷地内にヤマトシロアリの被害を受けた桜の木があり(写真1, 2), そこから毎年羽蟻が群飛してした。この桜の木の隣にベンチがあり,人がよく休息していた。施設の管理人から人が薬剤に接触しない方法で施工してほしいとの依頼を受け, 以下の通りベイト工法を用いて施工した。(1)使用ベイトと施工時期 使用ベイトは公益社団法人日本しろあり対策協会で登録されたベイト工法第7号のサブステックミニとした。ベイトの設置を平成23年8月中旬に行い, その後9月, 10月11月および翌年の6月に経過観察を行った。(2)ベイトの設置 桜の木の周囲にベイト入りステーションと観察用の木材入りステーションを隣接して埋設した(写真3)。(3)経過観察 ステーションから観察用の木材を取り出してヤマトシロアリの活動状況を観察した。その際に兵蟻率に注目した。正常なコロニーの兵蟻率は3~4%であるが1),ベイトによる影響が現れるとこの兵蟻率が高くなるこ写真1 駆除物件である桜の木とが分かっている。写真2 桜の木の被害部写真3 ステーションの配置状況