ブックタイトルしろありNo.161

ページ
51/56

このページは しろありNo.161 の電子ブックに掲載されている51ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

しろありNo.161

48 T e r m i t e J o u r n a l 2 0 1 4 . 1 N o . 1 6 1 兵蟻率が高くなる理由として, 巣に生息する職蟻が活動停止もしくは死亡することにより, その巣を守る兵蟻は世話されなくなり, 生きた職蟻のいる餌場に移動するものと予想される。①1ヵ月後(9月中旬頃)の観察 1ヵ月後の木材を観察したところ, すでにヤマトシロアリに食害されていた(写真4)。兵蟻率が高いということもなく, 職蟻や兵蟻の活動も正常であった。②2ヵ月後(10月中旬頃)の観察 2ヵ月後の木材を観察したところ, 少し見るだけでも兵蟻の数が多くなっており, 兵蟻率は約30%であった(写真5)。ベイトによる影響が現れ始めているが,職蟻や兵蟻の活動に変化はなかった。③3ヵ月後(11月中旬頃)の観察 3ヵ月後の木材を観察したところ, 兵蟻率は約50%にまで達した(写真6)。また, 職蟻や兵蟻の活動がかなり緩慢であり, ステーションの底部や傘状蓋の縁部分の職蟻や兵蟻を観察するとそのほとんどが停止していた(写真7, 8)。日中の外気温は約20℃であり低温による活動低下ではなくベイトの影響である。これらの兵蟻は1, 2週間後にはすべて致死すると予想されたため, この時点で駆除完了としてもよかったが, 念のため次回の観察を行うことにした。写真4 1ヵ月後の状況写真5 2ヵ月後の状況写真6 3ヵ月後の状況写真7 ステーションの底部にいるヤマトシロアリの状況写真8 ステーションの傘状蓋部分にいるヤマトシロアリの状況