ブックタイトルしろありNo.162

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概要

しろありNo.162

12 T e r m i t e J o u r n a l 2 0 1 4 . 7 N o . 1 6 2 図1から, 新防蟻材料はナイロン12と比較して食害の程度にほとんど差がなく同等性能を有している。 ところが, 汎用的なケーブルの外被に使用されている低密度ポリエチレンとビニルは質量減少率が大きく防蟻性能は低い。 また, 図2からシート表面のサンドペーパーによる表面傷の有無による影響は, 新防蟻材料とナイロン12はほとんど差がなく防蟻性能を有している。これより,ケーブルの延線時に, もし外被に傷がついた場合でも,実用上良好な防蟻性能を保つと考えられる。 一方, 低密度ポリエチレンとビニルは, サンドペーパーによる表面傷がない場合と比較すると表面傷有りの方が食害は大きく, 汎用的なケーブルは, ケーブル延線時にケーブル外被に擦れ傷がつくとシロアリによる食害が促進される可能性がある。 以上, 短期間及び長期間におけるシロアリの食害による防蟻性能の特性評価結果から, 今回開発した新防蟻材料はナイロン12と同等の防蟻性能を有し, 代替材料として十分満足のできるものといえる。4. ケーブルの評価 つぎに, 開発した新防蟻材料を使用したケーブルを当社の製造設備で製造し, 4.1 ケーブル性能評価, 4.2 フィールド試験を行った。4.1 ケーブル性能評価 当社の製造設備による製造作業性は, 他のケーブルで使用されている被覆材料と同等であり問題なかった。つぎに製造したケーブルについて規定の性能評価を行った。外観・構造, 電気性能, 物理特性試験は所定の規格を満足しており問題なかった。一部の物理特性試験の結果を表6に示す。表6 一部の物理特性試験の結果(22000V CVT-AT 3×325mm 2)注)注)22kVの地中ピット内に配線される3個より形の防蟻層付き電力ケーブル※で, 主に電力会社殿で使用されている。※正式名称:トリプレックス形架橋ポリエチレン絶縁防蟻層付きビニルシース電力ケーブル