ブックタイトルしろありNo.162

ページ
23/62

このページは しろありNo.162 の電子ブックに掲載されている23ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

しろありNo.162

20 T e r m i t e J o u r n a l 2 0 1 4 . 7 N o . 1 6 2薬剤設置10時間後の蟻道構築状況蟻道の長さ(補足説明)ガントナーR20EC5cm( 蟻土はところどころ表面に付着していた)A剤3?6cm( 表面3cm,裏面6cm)B剤0cm無処理区30cm( 木片の長さは40cmであるが, 無処理木片における蟻道の長さの測定範囲を両端の5cmを除く30cmの範囲とした)表10 各薬剤処理木片と無処理木片に構築された蟻道の長さ薬剤伝播倍率職蟻兵蟻163倍2.3倍表11 ガントナーR20ECの薬剤伝播効果写真13 シロアリに薬剤を付着させた微量局所施用装置3.3 薬剤伝播効果 薬剤伝播効果とはシロアリの虫体に付着した薬剤がグルーミング行動によって仲間のシロアリに伝播する効果であり, 薬剤の駆除性能を評価する試験方法のひとつである。この効果を評価するため自社で実施した試験概要を以下に示す。① 供試薬剤:ガントナーR20ECの20倍希釈液② 試験方法:供試薬剤1μLを健康なイエシロアリ職蟻3頭の腹部部分に微量局所施用装置(写真13)を用いて付着させ, 健康なイエシロアリ職蟻500頭と兵蟻50頭を入れたシャーレ内に放虫した。その後, 24時間後に行動停止など異常行動を起こした職蟻または兵蟻の頭数を求めて, 以下の式により薬剤伝播倍率を算出した。薬剤伝播倍率=異常行動頭数÷薬剤処理頭数③ 試験結果:表11に示す。兵蟻については薬剤伝播倍率が2.3倍と低かったたが, 職蟻については163倍と高い薬剤伝播倍率であった。このことから, 本剤はイエシロアリ職蟻に対して優れた薬剤伝播効果のあることが認められた。4. まとめ 本剤の防蟻効果に関しては, シロアリによる食害から木材を保護する予防効果だけでなく, シロアリの侵入を防止する効果を有することも認められた。また,薬剤伝播効果に優れることから, 本剤はシロアリの駆除剤としても大変有効であると考えられる。また, 防腐防カビ効果については本稿で紹介した通り優れた予防効果が認められた。